芝生の薬剤・肥料データベース
芝生でよく使われる肥料・薬剤・資材49点を、メーカー・公式販売元などの製品情報へのリンクと使用量つきでまとめました。農薬の数値は農林水産省の農薬登録情報とメーカー公式で確認済みのものだけを掲載しています。
このデータベースの使い方
STEP 1
芝の種類を確認する
日本芝と西洋芝では使える薬剤が異なります。除草剤・殺菌剤は、商品名より先に「使える芝」を確認してください。
STEP 2
目的・症状を切り分ける
黄ばみでも、肥料切れ・乾燥・病気・害虫では対処が別です。対象欄と製品比較を見て、原因に合う候補へ絞ります。
STEP 3
最新ラベルと照合する
使用量・時期・回数は変更される場合があります。掲載の確認日を見たうえで、使用前には手元の最新ラベルを優先してください。
数値を確認できない項目は推測で補いません。情報源と更新方法は薬剤・肥料データベースの掲載方針で公開しています。
農薬を使う前に必ずお読みください
- 農薬の適用作物・対象病害虫、希釈倍率・使用量・使用回数・時期は、製品ごとの登録内容とラベルに記載されています。散布前に必ずお手元の製品ラベルを確認し、ラベルの記載を優先してください。
- 計算機は、農薬の選択・適用可否・展着剤の要否を判断しません。適用作物に「芝」がない農薬は芝生に使えず、似た製品へ数値を流用することもできません。
- 最新の登録内容は農林水産省「農薬登録情報提供システム」で確認できます。使用前には農林水産省の適正使用案内も確認してください。
- 散布時は農薬用マスク・手袋・長袖を着用し、散布当日は子どもやペットを芝生に入れないでください。
肥料7件
粒状の化成・緩効性肥料。生育期(春〜秋)に定期的にまいて葉色と密度を作る、芝生管理の基本アイテムです。
量の計算: 散布量計算機
- バロネス芝生の肥料
共栄社(バロネスダイレクト)
芝生専用に配合された通販中心の化成肥料で、窒素の一部が緩効性のIB窒素になっているのが特徴です。速効性の化成肥料にありがちな「まいた直後だけ濃く効いてすぐ切れる」動きになりにくく、シーズンを通して葉色を一定に保ちたい人に向きます。反面、ホームセンターの汎用肥料より単価は高く、年間の合計量から逆算して回数を割り振る設計なので、まず1袋だけ試したい段階の人には過剰です。
- ハイポネックス芝生の肥料
ハイポネックスジャパン
ホームセンターで最も手に入りやすい芝生用の粒状肥料のひとつです。速効成分と緩効成分をブレンドしてあり、使用量が「1㎡あたり10〜20gを1〜1.5か月に1回」と1回分で示されているため、年間計画を立てなくても今日から始められます。マグネシウムを含み葉色も出やすい構成です。広い面積を年間通して管理する段階になるとコスト面では他に譲りますが、最初の1袋としては迷いにくい選択です。
- マイガーデン植物全般用
KINCHO園芸(旧・住友化学園芸)
芝生専用ではなく庭全体に使える緩効性の粒状肥料です。芝生・グランドカバーの適用があるので、庭木も花壇も芝生も1袋でまかないたい人に向きます。植え付け時の元肥としての量が示されているのも、芝生専用肥料にはあまりない特徴です。逆に、芝生だけを狙って葉色や密度を追い込みたい段階では、使用量の指示がより具体的な芝生専用品のほうが扱いやすくなります。
- 化成肥料8-8-8(汎用品)
各社(同一配合が多数流通)
ホームセンターの肥料コーナーに必ずある最安クラスの汎用化成肥料です。芝生専用品ではないぶん、いつ・どれだけまくかの判断を自分で持つ必要があります。広い面積を安く維持したい人には有力な選択肢ですが、緩効成分がなくまいた分がそのまま効くため、量の管理に慣れていない段階では扱いが難しい肥料でもあります。最初の1袋には向きません。
- 硫安(硫酸アンモニウム)
朝日アグリア
窒素21%の単肥で、芝生の文脈ではカルスNC-Rのブレンド材料としての需要が中心です。ブレンドカルスでは有機物の分解に窒素が使われるため、これを補う役割を担います。単体で芝生の肥料として使うこともできますが、公式の施用量は葉菜類・草花向けで、芝生専用の数値は示されていません。リン酸やカリは含まないので、これだけで施肥を組み立てることはできません。
- 尿素
朝日アグリア
窒素46%という最も濃い単肥です。水に溶かして葉面散布ができる点は他の固形肥料にない特徴で、色を早く戻したい場面で使われることがあります。ただし濃度が高いぶん、少量のブレが結果を大きく変えます。同じ窒素量なら硫安の半分以下の量で足りるということは、逆に言えば同じ感覚で撒けば倍以上の窒素を入れてしまうということです。扱いに慣れた人向けの肥料です。
- エンザアミン(芝生用バイオ有機質化成肥料)
サン化研(販売: バロネスダイレクト)
酵素を配合したバイオ有機質化成肥料で、年2回の散布で完結する設計が最大の特徴です。3〜4月と9〜10月に1㎡あたり40gずつ、年間合計80g/㎡というシンプルな運用なので、月1回の施肥を続けるのが負担になっている人には合います。20kg単位の販売なので、ある程度の面積がある庭向けです。施肥回数を減らしたいという明確な動機がある場合に選ぶ肥料です。
液肥3件
水に薄めてまく速効性の肥料。効きが早いぶん持続は短めで、色を早く戻したいときや夏場の弱った芝の栄養補給に向きます。
量の計算: 希釈計算機
- ハイポネックス原液
ハイポネックスジャパン
園芸用液肥の代名詞的な製品です。芝生専用ではありませんが、芝生(庭植え)の希釈倍率が公式に示されているため安心して使えます。最大の利点は「すでに家にあることが多い」点で、芝生のためにわざわざ買い足す必要がありません。ただし配合は6-10-5とリン酸寄りで、鉄も入っていないため、葉色を濃くすることだけを狙うなら鉄配合の芝生専用液肥のほうが目的に合います。
- ハイポネックス芝生の液肥
ハイポネックスジャパン
芝生専用に配合された液肥で、鉄とフルボ酸を含み葉色を濃くする方向に振ってあります。500倍・週1回・1㎡あたり2〜3Lという芝生の数値がそのまま公式に出ているため、換算に迷いません。速効性なので「来週末の来客までに色を上げたい」といった目的に噛み合います。ただし持続は短く、月単位で効かせる粒状肥料の置き換えにはならないので、施肥計画とは別枠で考える製品です。
- メネデール芝肥料原液
メネデール
芝生・グランドカバー・苔に用途を絞った液肥です。窒素と鉄を強化した配合で、真夏に肥料切れの症状が出たときなど、一時的に葉色を戻したいカンフル剤的な使われ方をします。注意したいのは情報面で、公式サイトに芝生向けの希釈倍率・散布量が掲載されておらず、正確な数値は手元の容器ラベルにしかありません。数値を確認しながら管理したい人には、この一点が他の液肥より不便です。
活力剤4件
肥料ではなく生育を補助する資材。鉄イオン系(メネデール・鉄力あくあ)は葉色を濃くしたいときの定番です。肥料の代わりにはなりません。
量の計算: 希釈計算機
- メネデール
メネデール
鉄をイオンの形で含む活力剤の定番で、園芸をしていれば一度は手に取る製品です。肥料でも農薬でもなくN-P-Kを含まないため、これだけを与えても栄養にはなりません。位置づけは「弱ったときの補助」です。芝生専用の公式希釈値がなく標準の100倍を目安に使うことになるので、広い面積に定期散布する用途では消費もコストも現実的とは言いにくく、部分的な手当てに向いた製品です。
- 鉄力あくあ
愛知製鋼
二価鉄イオン(Fe²⁺)を供給する活力剤で、芝生では葉色を濃くする目的で使われます。実質的な利点は倍率で、500〜1000倍と薄く使えるため、同じ鉄系でも標準100倍のメネデールと比べてボトルの持ちが桁違いに良くなります。芝生のように面積の大きい対象に継続散布するなら、ここが効いてきます。肥料ではないので、施肥は別に必要です。
- アルムグリーン
株式会社オキ(アルム農材事業部)
12種の生薬抽出物を使った製品ですが、法的な区分は活力剤ではなく農薬登録のある植物成長調整剤です。この違いは実務に直結します。適用芝種がラベルで決まっており、年16回以内という総使用回数の制限がかかるためです。手軽な活力剤のつもりで買うと運用が合いません。逆に、適用と回数がラベルで管理された製品を選びたい人にとっては、そこが選ぶ理由になります。
- 使える芝
- 日本芝(コウライシバ)・西洋芝(ベントグラス)
- リキダス
ハイポネックスジャパン
ハイポネックスの活力剤で、鉄系ではなくコリン・フルボ酸・アミノ酸によるアプローチを取ります。肥料ではないため別途施肥が必要で、同社のハイポネックス原液などとセットで使うことを想定した製品です。活力剤としては珍しく、芝生を含む地植えの散布量(1㎡あたり2〜3L・週1回)が公式に示されているため、芝生で使うときに換算で悩まずに済みます。
土壌改良・サッチ分解9件
サッチ(刈りカスの堆積)の分解や床土の改善に使う資材と目土。カルスNC-Rのような微生物資材から、まくだけのサッチ分解剤まで手間に応じて選べます。
- カルスNC-R
リサール酵産
サッチ分解と土壌改良を狙う微生物資材で、芝生愛好家の間では「ブレンドカルス」という使い方で定着しています。カルス単体では微生物のエサと窒素が足りないため、米ぬか・目土・硫安と混ぜて撒くのが前提です。この手間が最大のハードルで、まくだけで済む製品と比べると作業は明らかに重くなります。効果も数か月単位で出るタイプなので、単発ではなく年間の作業として組み込める人向けです。
- シバキーププロ 芝生のサッチ分解剤
レインボー薬品
サッチ対策の中で最も手数が少ない選択肢です。袋からそのまま撒くだけで、混ぜる作業も計算も要りません。バチルス菌に有機肥料(4-3-1)が組み合わさっているので、軽い施肥も兼ねます。日本芝・西洋芝の両方に使え、1㎡あたり40gという単純な基準も扱いやすい点です。土壌をしっかり作り替えたい人には物足りませんが、サッチ対策を続けられる形で始めたい人には現実的な入口になります。
- イデコンポガーデンEV
出光興産(販売: 出光テクノマルシェ)
バチルス菌と有機質肥料を組み合わせたサッチ分解促進剤で、そのまま撒くタイプです。1㎡あたり30gと使用量が少なめで、3kgで約100㎡分をカバーできるため、20〜30㎡程度の庭なら1袋で数回分になります。ゴルフ場向け資材のブランドが家庭向けに展開されている製品で、通販中心の流通です。まくだけの手軽さを保ちつつ、コストパフォーマンスを重視する場合の選択肢になります。
- グリーンクリーナー(サッチ分解促進剤入り芝生専用肥料)
共栄社(バロネスダイレクト)
有機肥料にサッチ分解菌を合わせた1袋完結型で、施肥とサッチ対策を1工程にまとめたい人向けの製品です。芝生用品を一通り揃えているバロネスダイレクトの取り扱いなので、目土や肥料とまとめて購入できるのも実用的です。ただし1㎡あたりの使用量が商品ページに掲載されておらず、付属の説明書を見るまで散布量が分からない点は、事前に計画を立てたい人にとって不便になります。
- スーパーグリーンフード
東京グリーン
細菌・放線菌・糸状菌という複数の微生物を含む発酵有機資材で、狙いはサッチ分解というより土壌の微生物環境そのものの改善です。芝を張る前の全面施用(200g/㎡)にも対応しているため、庭を作る段階から使えるのが他のサッチ分解剤との違いになります。継続使用で効果が高まるタイプなので、単発で試して判断する製品ではなく、数年単位の土づくりとして位置づけるものです。
- ハイパワー苦土石灰
朝日アグリア
酸性に傾いた土壌のpHを矯正するための石灰質資材です。日本は雨が多く土壌が酸性化しやすいため、長年管理してきた芝生では検討する場面が出てきます。粒状でにおいが少なく、住宅地でも扱いやすいのが特徴です。ただし、pHを測らずに「なんとなく酸性だろう」で撒くのは危険で、アルカリ側に振れすぎると鉄やマンガンが吸収されにくくなります。測定してから使う資材です。
- バロネス芝生の目土・床土
共栄社(バロネスダイレクト)
焼黒土・富士砂・ピートモス・有機フミン酸を配合した砂壌土ベースの目土です。ホームセンターの「芝生の目土」は製品ごとに中身の差が大きいのですが、これは配合が公開されていて品質が安定しているため、目土入れを毎年の作業として続ける人に選ばれています。10kg袋が約16Lという体積の目安が出ているので、必要量を面積から計算しやすいのも実務上の利点です。
- 超(SUPER)カルスNC-R
リサール酵産
米ぬかを加えずに使えるカルスNC-Rの上位版です。ブレンドカルス最大の障壁である「米ぬかの調達と混合」が不要になるため、作業のハードルが一段下がります。芝生では目土・硫安との併用になります。30g×10袋のAmazon限定販売で、1袋あたりの単価は通常のカルスNC-Rより高くつくので、広い面積を継続的に管理するというより、まず試す・面積が小さい場合の選択肢という位置づけです。
- 分解くんシリーズ(CF-1/CL/FW)
東洋グリーン
有用微生物によるサッチ分解・土壌改良資材で、施工方法の異なる3タイプから選べるのが特徴です。水和剤のCF-1、粉粒のCL、ペレットのFWがあり、散布器の有無や作業スタイルに合わせられます。主に業務用として流通しており、容量も5kg×2から20kgと大きめです。家庭の庭には量が多すぎることが多いので、広い面積を管理している場合や、共同で使う環境がある場合の選択肢になります。
除草剤10件
芝を残して雑草だけ枯らす「選択性」が中心。日本芝専用で西洋芝には使えない薬剤が多いため、適用芝種の確認が最重要です。張り替え用の非選択性(ラウンドアップ等)は生えている芝も枯らします。
- シバゲンDF
石原バイオサイエンス
日本芝の除草剤として愛好家の間で定番になっているプロ向け薬剤です。イネ科・カヤツリグサ科・広葉と対応雑草の幅が広く、年2回程度の散布で管理できる点が支持されています。難点は使用量の細かさで、1㎡あたり0.01〜0.04gという単位を家庭の面積で正確に量るには専用の計量器がほぼ必須です。寒地型西洋芝には薬害が出るため使えません。手軽さを求める人ではなく、道具を揃えて数字どおりに散布できる人向けの薬剤です。
- 対象
- 一年生雑草全般、多年生広葉雑草、スズメノヒエ、ハマスゲ、ヒメクグなど(イネ科・カヤツリグサ科・広葉に幅広く対応)
- 使える芝
- 日本芝・バーミューダグラス・センチピードグラス(寒地型西洋芝は薬害のため使用不可)
- グリーンアージラン液剤
石原バイオサイエンス
日本芝に使う遅効性の除草剤で、メヒシバやスズメノカタビラといったイネ科雑草に軸足がある薬剤です。芝生育期・春夏期・秋〜春期で使用量が別々に定められており、時期に合わせて量を変えて使う設計になっています。西洋芝への適用記載はありません。カヤツリグサ科には効果が劣るため、ハマスゲやヒメクグが主体の庭では狙いが外れます。雑草の種類を見極めてから選ぶ薬剤です。
- 対象
- 一年生雑草(メヒシバ、スズメノカタビラ等)、多年生イネ科雑草
- 使える芝
- 日本芝のみ(西洋芝への適用記載なし)
- MCPP液剤
丸和バイオケミカル
クローバー(シロツメクサ)をはじめとする広葉雑草に絞った、目的のはっきりした除草剤です。イネ科にはほとんど効かないという性質は弱点ではなく、芝そのものがイネ科であるがゆえの安全マージンでもあります。日本芝に加えブルーグラスにも適用があるのは、日本芝専用が多いこのカテゴリでは貴重です。「芝は元気だがクローバーだけ広がってきた」という、対象が絞れている状況で最も力を発揮します。
- 対象
- クローバー(シロツメクサ)、畑地一年生広葉雑草
- 使える芝
- 日本芝・西洋芝(ブルーグラス)
- ザイトロンアミン液剤
丸和バイオケミカル(同成分の日産化学版もあり)
日本芝の広葉雑草に対する薬剤で、カタバミやチドメグサといった、他の薬剤で残りやすい多年生の広葉雑草に適用があるのが特徴です。ターフが形成された日本芝が前提で、西洋芝には薬害のため使えません。イネ科にも効かないので、これ1本で庭の雑草を片付ける類の製品ではなく、「他で叩けなかった広葉が残っている」段階で投入する薬剤と考えると位置づけが合います。
- 対象
- 一年生広葉雑草、クローバー、チドメグサ等の多年生広葉雑草
- 使える芝
- 日本芝のみ(ターフ形成後)。西洋芝は薬害のため使用不可
- シバキープIII粒剤
レインボー薬品
ホームセンターで最も見かける家庭向け芝生用除草剤の粒剤タイプです。最大の利点は「薄めない・道具がいらない・まくだけ」で、計量器も散布器も持っていない段階でも始められます。効果が約4か月続くため、シーズン中の散布回数を減らせるのも実用的です。適用は日本芝のみで、チガヤ・ススキのような多年生イネ科には効きません。まず1つ試すなら、という位置づけの製品です。
- 対象
- メヒシバ・スズメノカタビラ等の一年生イネ科雑草、一年生広葉雑草、クローバー・スギナ等の多年生広葉雑草
- 使える芝
- 日本芝(コウライシバ・ノシバ)※チガヤ・ススキ等の多年生イネ科には効かない
- シバキーププラスα
レインボー薬品
除草・雑草予防・施肥を1袋にまとめた粒剤です。成分の99.4%が肥料で、除草成分はごく少量という構成なので、性格としては「雑草を抑える肥料」に近くなります。春の立ち上げ作業を1回で済ませたい人には効率的ですが、施肥設計を自分で組んでいる人にとっては窒素量が読みにくくなるという副作用があります。使用回数が2回以内と他のシバキープより少ない点も、計画に織り込む必要があります。
- 対象
- 一年生イネ科雑草、一年生広葉雑草、クローバー・スギナ等の多年生広葉雑草
- 使える芝
- 日本芝(コウライシバ)
- シバキープエース液剤
レインボー薬品
シバキープシリーズの液剤版で、すでに生えてしまった雑草を叩く茎葉処理が主目的です。粒剤のIIIやプラスαが「生える前に抑える」設計なのに対し、こちらは「もう生えている」状況への回答になります。アシュラムとMCPPの組み合わせで、一年生イネ科と多年生広葉の両方に届くのが強みです。イネ科が多い場合は50倍、通常は100倍と、状況で濃度を変えられる点も液剤ならではです。
- 対象
- スズメノカタビラ・メヒシバ等の一年生雑草、カタバミ・クローバー等の多年生広葉雑草
- 使える芝
- 日本芝(コウライシバ)
- シバキープAL
レインボー薬品
薄めずそのまま雑草にかけるスプレータイプで、シリーズの中では最も導入のハードルが低い製品です。計量も散布器もいらず、見つけた雑草にその場でかけられるのが利点です。対象は一年生広葉雑草で、イネ科には効きません。面としてまとまった雑草を処理する用途には向かず、庭を歩いていて目についたものを都度片付ける、いわばメンテナンス用の1本という位置づけになります。
- 対象
- 一年生広葉雑草(コニシキソウ・ブタクサ等)
- 使える芝
- 日本芝(コウライシバ)・ケンタッキーブルーグラス
- ラウンドアップマックスロード
日産化学
芝生を「維持する」ための薬剤ではなく、リセットするための薬剤です。非選択性なのでかかった植物はすべて枯れ、当然ながら芝も枯れます。芝生管理でこれを使う場面は、荒れた面を全面的に作り直すときや、芝を張る前の下地整理に限られます。土に落ちると不活化する性質があるため、枯殺後すぐに張り替えへ移れるのが実務上の利点です。生育中の芝生には絶対に使わないでください。
- 対象
- ほぼすべての雑草(非選択性・茎葉処理型)
- 使える芝
- 芝生の全面張り替え時の枯殺専用(生育中の芝には絶対に使用不可=芝も枯れる)
- サンフーロン液剤
大成農材
ラウンドアップと同じグリホサート系の非選択性除草剤で、いわゆるジェネリック的な位置づけです。大容量で単価が安いため、芝生を全面的に張り替える、あるいは庭の一角をまるごと更地に戻すといった、面積のある作業に向きます。芝生の維持管理には使えません。メーカー公式の製品ページが見当たらないため、このサイトでは農水省の農薬登録情報を一次情報として参照しています。
- 対象
- ほぼすべての雑草(非選択性・茎葉処理型)
- 使える芝
- 芝生の全面張り替え時の枯殺専用(生育中の芝には使用不可)
殺虫剤5件
芝生の2大害虫はシバツトガ(葉を食べる)とコガネムシ幼虫(根を食べる)。薬剤ごとに効く虫が違い、GFオルトラン(粒剤・水和剤)はコガネムシ幼虫への登録がない、といった落とし穴があります。
- 家庭園芸用スミチオン乳剤
KINCHO園芸(旧・住友化学園芸)
芝生の害虫でとくに厄介なコガネムシ類幼虫に、ホームセンターで買える範囲で対応できる数少ない薬剤です。芝生の三大害虫といわれるシバツトガ・スジキリヨトウ・コガネムシ類幼虫のすべてに登録があり、1本で守備範囲が広いのが強みです。乳剤なので希釈と散布器が必要になり、粒剤のような手軽さはありません。においも強めなので、住宅密集地では散布の時間帯に配慮が要ります。
- 対象
- シバツトガ、スジキリヨトウ、コガネムシ類幼虫、シバオサゾウムシ
- 使える芝
- 芝(日本芝・西洋芝)
- 家庭園芸用GFオルトラン粒剤
KINCHO園芸(旧・住友化学園芸)
そのまま撒くだけで使える粒剤で、家庭園芸の殺虫剤として最も知名度のある製品のひとつです。芝生ではスジキリヨトウ・シバツトガ・タマナヤガに登録があります。注意が必要なのは、この知名度ゆえに「芝生の虫にはオルトラン」と短絡されがちな点です。芝生の被害で最も深刻なコガネムシ類幼虫には登録がなく効きません。何にやられているのかを確かめてから選ぶ必要があります。
- 対象
- スジキリヨトウ、シバツトガ、タマナヤガ
- 使える芝
- 芝(日本芝・西洋芝)
- 家庭園芸用GFオルトラン水和剤
KINCHO園芸(旧・住友化学園芸)
同じオルトランでも粒剤より適用害虫が広く、ケラやシバオサゾウムシ成虫、アカフツヅリガまでカバーします。1000倍に薄めて散布するため、粒剤にはない散布量の調整がききます。粒剤と同様にコガネムシ類幼虫の登録はありません。「オルトランで広く守りたいが、粒剤では対象が足りない」という段階で選ぶ製品で、散布器を持っていることが前提になります。
- 対象
- スジキリヨトウ、シバツトガ、タマナヤガ、ケラ、シバオサゾウムシ成虫、アカフツヅリガ
- 使える芝
- 芝(日本芝・西洋芝)
- フルスウィング顆粒水和剤
住友化学(販売: 理研グリーン・レインボー薬品ほか)
本来はゴルフ場や緑地管理向けの薬剤ですが、100gの小容量が通販で流通しており個人でも入手できます。コガネムシ類幼虫を含む芝生の主要害虫を幅広くカバーし、5000倍という薄い倍率で使えるため、100gでもかなりの面積をまかなえます。ネオニコチノイド系のためミツバチや蚕への影響には配慮が必要で、周辺環境を確認したうえで使う薬剤です。
- 対象
- コガネムシ類幼虫、シバツトガ、スジキリヨトウ、シバオサゾウムシ、タマナヤガ幼虫、ケラ
- 使える芝
- 芝(日本芝・西洋芝)
- ダイアジノン粒剤5
日本化薬
そのまま撒ける粒剤でありながら、コガネムシ類幼虫にも登録がある点が実務上の価値です。粒剤の手軽さと、地中の害虫への適用を両立している製品はそう多くありません。難点は流通の形で、3kgなど大容量が中心のため、小さな庭では使い切る前に持て余します。同名の類似製品には芝生への登録がないものがあるので、購入時の製品名確認が重要です。
- 対象
- シバツトガ、スジキリヨトウ、シバオサゾウムシ成虫、コガネムシ類幼虫
- 使える芝
- 芝(日本芝・西洋芝)
殺菌剤7件
ラージパッチ(葉腐病)・さび病・ブラウンパッチなどの病気対策。病名と芝の種類(日本芝/西洋芝)の組み合わせで登録が細かく決まっているため、ラベルの適用表の確認が必須です。
量の計算: 希釈計算機
- ラリー水和剤
コルテバ・アグリサイエンス日本
日本芝のさび病に軸足のある殺菌剤です。芝生の病気は日本芝と西洋芝で登録がはっきり分かれることが多いなか、この薬剤は両方に適用を持ち、草種ごとに対象の病害が変わる構成になっています。包装は100g×袋の業務用中心で、家庭園芸向けの小容量は用意されていません。庭の面積が小さいと使い切れないため、ある程度の広さを継続して管理する人向けの選択肢です。
- 対象
- 日本芝: さび病、カーブラリア葉枯病/西洋芝: ダラースポット病、ヘルミントスポリウム葉枯病、炭疽病
- 使える芝
- 日本芝・西洋芝(ベントグラス・ブルーグラス・バミューダグラス)
- STサプロール乳剤
KINCHO園芸(旧・住友化学園芸)
芝生用殺菌剤の多くが業務用の大容量である中で、30mL・100mLという家庭向け小容量が用意されている数少ない製品です。庭が10㎡程度なら現実的に使い切れます。対象はさび病とフェアリーリング病で、梅雨明けから秋にかけて葉に黄橙色の粉がつくさび病に手が届くのは実用的です。守備範囲は広くないので、ラージパッチなど別の病気には別剤が必要になります。
- 対象
- さび病、フェアリーリング病
- 使える芝
- 日本芝・西洋芝(フェアリーリング病は日本芝・ベントグラスに登録)
- グラステン水和剤
日本農薬(販売: ニチノー緑化ほか)
2成分を組み合わせた総合防除剤で、日本芝のラージパッチ(葉腐病)に対する定番として知られています。日本芝の家庭ではラージパッチが最も遭遇しやすい病気なので、1kg入りが個人にも流通しているこの薬剤は現実的な選択肢になります。フェアリーリング病・春はげ症・さび病まで守備範囲に入るぶん、ラベルの病害別表が長くなり、使う前に読み込む手間はかかります。
- 対象
- 日本芝: 葉腐病(ラージパッチ)、フェアリーリング病、疑似葉腐病(春はげ症)、さび病/西洋芝: ブラウンパッチ、雪腐病、葉枯病など
- 使える芝
- 日本芝・西洋芝
- オーソサイド水和剤80
アリスタライフサイエンス
葉腐病や赤焼病に加え、西洋芝(ベントグラス)では藻類・コケ類にも適用がある点が他の殺菌剤にない特徴です。日当たりや水はけが悪くコケが出る面は住宅の庭でもよくあるので、そこに薬剤で手を打てる選択肢は貴重です。ただし眼への刺激性が強く保護メガネが必須で、混用できない薬剤もあります。取り扱いの注意点が多いぶん、装備を整えられる人向けの製品です。
- 対象
- 葉腐病(ブラウンパッチ)、赤焼病、西洋芝(ベントグラス)の炭疽病・藻類・コケ類
- 使える芝
- 芝・西洋芝(ベントグラス)
- ロブラール水和剤
バイエル クロップサイエンス
日本芝のラージパッチと西洋芝のブラウンパッチ、どちらにも使える治療系の殺菌剤です。1000〜1500倍で1㎡あたり1Lという条件が単純で、病害ごとに倍率や液量が変わる薬剤に比べて扱いやすいのが実務上の利点になります。使用回数も8回以内と比較的余裕があります。日本芝と西洋芝が混在する庭や、オーバーシードしている面で1本にまとめたい場合に噛み合います。
- 対象
- 葉腐病(ブラウンパッチ・日本芝はラージパッチ)、ヘルミントスポリウム葉枯病、西洋芝のダラースポット病
- 使える芝
- 日本芝・西洋芝(ベントグラス)
- GFベンレート水和剤
KINCHO園芸(旧・住友化学園芸)
0.5g×10袋という小分け包装で、家庭園芸の殺菌剤として広く流通している製品です。芝生に関して重要なのは適用範囲で、登録があるのは西洋芝(ベントグラス)のブラウンパッチのみです。日本芝への適用登録はありません。ホームセンターで手に取りやすく名前も知られているぶん、高麗芝の庭で使ってしまう取り違えが起きやすい薬剤なので、まず自分の芝の種類を確認してください。
- 対象
- 西洋芝(ベントグラス): 葉腐病(ブラウンパッチ)
- 使える芝
- 西洋芝(ベントグラス)のみ。日本芝(高麗芝等)への適用登録なし
- ダコニール1000(STダコニール1000)
SDSバイオテック(家庭向けはKINCHO園芸が販売)
園芸用殺菌剤として非常に知名度が高く、家庭向けの小容量「STダコニール1000」も流通しています。ただし芝生に関して登録があるのは西洋芝(ベントグラス・バミューダグラス)のみで、日本芝への適用はありません。「家にあるダコニールで芝の病気に対応しよう」という発想が通らない代表例なので、芝の種類を確認してから使ってください。西洋芝を管理しているなら、入手しやすさは大きな利点です。
- 対象
- 西洋芝: ヘルミントスポリウム葉枯病、葉腐病(ブラウンパッチ)
- 使える芝
- 西洋芝(ベントグラス・バミューダグラス)のみ。日本芝への適用登録なし
展着剤2件
散布液の濡れ性・広がり方・付着などを補助する農薬です。機能や適用農薬、作物、添加量は製品ごとに異なり、互いに置き換えられるとは限りません。一律に加えず、混用する農薬と展着剤の両方のラベルを確認してください。
- ダイン(展着剤)
KINCHO園芸(旧・住友化学園芸)
ホームセンターで最も見かける展着剤で、農薬散布を始めると早い段階で必要になる製品です。100mLと小容量なので、家庭の散布量なら長く使えます。注意したいのは、展着剤も農薬登録のある薬剤だという点です。「効きを良くする補助剤だから何にでも足してよい」ものではなく、混用する農薬側のラベルで使用可否と添加量を確認する必要があります。
- まくぴか(シリコーン系展着剤)
石原バイオサイエンス
シリコーン系の展着剤で、散布液の表面張力を大きく下げて葉の隅々まで広げるタイプです。芝の葉は細くて水を弾きやすいため、濡れ性の改善が効いてくる場面があります。使用量が散布液10Lあたり1〜3.3mLとごく少量なので、100mLでもかなり長く使えます。一般的な展着剤とは性格が違うので、ダインの代わりとして同じ感覚で使えるわけではありません。
成長調整剤1件
芝の伸びを抑えて刈込み回数を減らす薬剤。ゴルフ場など業務用が中心です。
芝の種1件
西洋芝の播種・オーバーシード・裸地の補修に使う種子。発芽適温の時期に、袋の表記面積を目安にまきます。
よくある質問
- Q. 芝生に使える農薬はどうやって見分ければいいですか?
- 農薬のラベルにある「適用作物」に「芝」(または日本芝・西洋芝)の記載がある製品だけが芝生に使えます。適用のない農薬を芝生に使うことは農薬取締法で認められていません。当データベースは芝生への登録を確認できた製品のみ、農薬登録番号つきで掲載しています。
- Q. 農薬登録番号とは何ですか?
- 農林水産省に登録された農薬に付く番号(例: 第21939号)です。登録内容(使える作物・希釈倍率・使用量・回数)は農水省の農薬登録情報提供システムで誰でも確認できます。番号のない「農薬っぽい資材」は雑草や病害虫への効能をうたえません。
- Q. 日本芝(高麗芝)と西洋芝で使える薬剤は違いますか?
- 違います。特に除草剤は「日本芝には安全でも西洋芝は枯らす」ものが多く(シバゲンDF・ザイトロンアミン等は寒地型西洋芝に使用不可)、殺菌剤も芝種ごとに登録が分かれています。各製品ページの「使える芝」欄を確認してください。
- Q. 掲載されている使用量や希釈倍率は信頼できますか?
- メーカー・公式販売元などの製品情報と農林水産省の農薬登録情報で確認した値のみを掲載し、各製品に確認日を明記しています。公式に確認できなかった項目は「要確認」と正直に表示しています。ただし登録内容は変わることがあるため、散布前には必ずお手元の製品ラベルを優先してください。
- Q. 展着剤はどれを選んでも同じですか?
- 同じではありません。濡れ性・広がり方・付着などの機能、適用できる農薬や作物、添加量が製品ごとに異なります。一律に加えたり別製品へ置き換えたりせず、混用する農薬と展着剤の両方のラベルで使用可否・種類・量を確認してください。
量の計算は計算ツールで
ラベルで確認した希釈倍率や1m²あたりの量を、必要な水・薬剤量や庭全体の量へ換算するには芝生の計算ツールを使えます。農薬は製品を自動選択せず、手元のラベルで確認した数値を入力してください。
