冬の芝生の手入れ|休眠中にやること・やめること
編集: しばしば芝編集部(編集方針)

冬の芝生の手入れは、休眠している高麗芝を傷めずに見守ることが中心です。12〜2月の日本芝は茶色くなって生育が止まるため、芝刈りと肥料は休み、水やりも乾燥が続いたときだけにします。作業は冬雑草の手取りと春に向けた点検・記録が中心で、霜・凍結・雪の日は芝へ乗らないようにします。茶色いのは多くの場合休眠ですが、一部だけ様子が違う場所は、枯れとの見分け方で確かめましょう。
この記事でわかること
- 休眠中(12〜2月)にやること・やめることの早見表
- 冬の茶色い芝が休眠か枯れかを見分ける5つのチェック
- 冬に水やりが必要になる条件と、凍結を避ける時間帯
- 冬雑草の抜き方と、除草剤を使う前の確認点
- 霜・霜柱・雪の日に芝生へ乗らない理由
結論:休眠中は「休ませる・見回る・備える」
休眠中の芝は伸びないため、冬は芝を休ませ、庭を見回り、春に備えることに絞ります。芝生機械メーカーのバロネス(共栄社)や種苗会社の雪印種苗の資料によると、日本芝は平均気温が15℃前後まで下がると生育が鈍って休眠に向かい、10〜12℃を下回るころに完全に休眠します。春は10〜12℃ほどで生育を始めます。
項目 | 休眠中の基本 | 例外・注意 |
|---|---|---|
水やり | 基本は不要 | 乾いた晴天が続き、土が乾き切ったら暖かい日の日中に |
芝刈り | 不要 | オーバーシードした西洋芝は伸びたら刈る |
肥料 | 与えない | 春に芝が緑になり、伸び始めてから再開 |
雑草 | 見つけたら手で抜く | 除草剤は休眠期の使用区分がある製品だけ |
庭の使い方 | 霜・凍結・雪の日は乗らない | 通り道を決め、同じ所を踏み続けない |
春の生育期まで待つ | 傷んだ場所は写真で記録しておく |
最後の芝刈りや落ち葉掃除など、秋のうちに済ませる作業は秋にやる冬支度のチェックリストにまとめています。ここでは休眠後の判断を扱います。
冬に茶色いのは休眠|枯れとの見分け方
庭全体が同じように茶色なら、多くは休眠で正常です。気になる場所があるときは、次の5つを周りの茶色い芝と見比べます。
チェック | 休眠(正常) | 枯れ・傷みの疑い |
|---|---|---|
色の出方 | 庭全体がほぼ同じ茶色 | 一部だけ、まだら、円形に色が違う |
軽く引っ張る | 根付いていて抜けにくい | 根がほとんど付かずに簡単に抜ける、じゅうたんのようにめくれる |
根元(クラウン) | 白っぽい | 茶色〜黒く、つぶれている |
鉢に植えて室内へ | 7〜14日ほどで新しい葉が出る | 2〜3週間たっても緑が出ない |
春の芽吹き | 周りと一緒に緑になる | 周りが緑になっても茶色いまま |
クラウンは、葉が上へ、根が下へ伸びる地際の部分で、ここが生きていれば芝は回復できます。茶色い葉をかき分けて根元を見ましょう。米ノースカロライナ州立大学の芝草資料は、白ければ無事、茶色や黒でつぶれていれば傷んでいると説明しています。簡単にめくれる場合は、コガネムシ類の幼虫による根の食害も疑います。
同じ資料は、冬の寒さで傷みやすい場所として、日陰、よく踏まれる場所、水はけの悪い場所、北向きの斜面を挙げています。
鉢に植えて確かめる方法
- 気になる場所の芝を、根と土ごと切り取ります。米パデュー大学は直径・深さとも約7.5cm以上としています。穴には土を詰めておきます
- 庭の土を入れた鉢に植え、日当たりのよい室内の窓辺に置きます
- 乾かさないように水を与えます。生きていれば7〜14日ほどで新しい葉が伸び始めます。2〜3週間たっても緑が出なければ、傷んでいる可能性が高いです
傷んだ疑いがある場所には、冬の傷みを確かめるまで肥料や除草剤を急いで使わないでください(米テキサスA&M大学)。芽吹きは地域差がありますが、おおむね3〜4月です。春に一部だけ芽吹かない場合は、芝生が枯れる7つの原因と見分け方で原因を絞り込みましょう。
冬の水やりは乾燥が続いたときだけ
休眠中の水やりは基本的に不要です。KINCHO園芸の育て方ガイドや、TM9の開発元(トヨタ)の管理マニュアルも不要としています。
冬型の気圧配置のとき、太平洋側では山から吹き下ろす乾いた風で晴れの日が多くなります(気象庁)。雨が何週間も降らず、根のある土まで乾いているときは水を補います。米クレムソン大学は、高麗芝と同じシバ属(ゾイシアグラス)に、3〜4週間雨が降らなければ水を与える目安を示しています。
冬は冷え込む早朝と夕方を避け、暖かい日の午前〜昼にまいて、夜に凍る前に土へしみ込ませます。米コロラド州立大学も、気温が約4℃を超える日の日中にまくよう勧めています。土が凍っている間は、しみ込まずに凍るおそれがあるのでまきません。同じ資料は、張って間もない芝や南・西向きの芝ほど冬の乾燥で傷みやすいとしています。
芝刈りと肥料は春まで休む
休眠中の日本芝は伸びないため、芝刈りは要りません。肥料も与えません。KINCHO園芸のガイドは冬の刈り込みと施肥を不要とし、TM9の開発元も施肥の時期を「春〜秋の芝の生育期」としています。芝生用液肥のメネデール芝肥料原液も、公式FAQで休眠期の施用を避けるよう案内しています。肥料で冬の茶色が緑に戻るわけではないので、春に芝が緑になり、伸び始めてからラベルに沿って再開しましょう。
例外は、オーバーシード(休眠する芝の上に西洋芝の種をまくこと)をした庭です。西洋芝は冬も少しずつ伸びるため、乾いた日の芝刈りと、土の乾きに応じた水やりが続きます。管理の流れはオーバーシードのやり方と冬の管理を参照してください。
冬雑草は根が浅いうちに手で抜く
冬雑草は、見つけたらその場で根ごと抜きます。芝が茶色い冬は、緑の雑草が目立つので見つけやすい時期です。
代表的な冬雑草のスズメノカタビラは、秋に芽を出して春に花を咲かせるものが多いイネ科の雑草です(農研機構)。土の中の種は5年以上生きるといわれるため、春に種を落とさせないことが大切です。KINCHO園芸のガイドも、冬雑草は見つけ次第、除草フォークなどで抜くよう勧めています。放っておくと、春には根が張って抜きにくくなります。
除草剤を使うなら、ラベルの使用時期が芝の休眠中(「芝発芽前」など)に当たるかを必ず確かめます。たとえば、スズメノカタビラなどの一年生雑草を対象にした日本芝用のグリーンアージラン液剤には、「秋〜春期(芝発芽前)」の使用量が定められています。時期ごとに量が違うため、量と回数はラベルどおりにします。該当する記載がない製品は、春の適期まで待ちましょう。オーバーシードで西洋芝を育てている庭では、日本芝にだけ適用がある除草剤は使わないでください。
霜・霜柱・雪の日は芝生に乗らない
霜が降りた朝や、芝と土が凍っている間は、芝生の上を歩かないようにします。休眠中は新しい葉が出ないため、冬の踏み跡は春に生育が再開するまで回復しません。
霜が付いた葉を踏むと氷の結晶が細胞を傷つけ、冬も緑の西洋芝では踏み跡が茶色く残ることがあります(米カンザス州立大学)。休眠中の芝でも、凍った根元は踏まれると傷みやすいとされます(米ノースカロライナ州立大学)。芝と土が解けるまで待ち、解けた直後のぬかるみも踏まないようにしましょう。通り道や遊び場の使い方は通り道・遊び場の踏圧対策が参考になります。
寒さの厳しい地域では、霜柱で芝の表面が持ち上がることがあります。そのままにすると、地下部が乾いたり冷気にさらされたりして傷むおそれがあります。霜柱が解けて土の表面が落ち着いた日中に、板を敷いて上から踏み、平らに戻しましょう(KINCHO園芸のガイドより)。
積もった雪は自然に解けるのを待ち、雪の上を通り道にしないでください。雪に覆われている間は、乾いた風による乾燥から守られる面もあります。融雪剤(塩化カルシウムなど)の塩分は芝を傷め、かかった場所は春に土が解けたら十分に水をまいて塩分を流すよう勧められています(米アイオワ州立大学)。芝の上や際には融雪剤を使わず、融雪剤をまいた通路の雪も芝に積み上げないようにしましょう。
春に向けて冬のうちにできる準備
芝刈りを休む冬は、道具の点検と記録で春に備える時期です。
昨シーズンの芝刈りで葉先が白く裂けていたなら、芝刈り機の刃の研ぎや交換を検討します。点検は電源やエンジンを止め、取扱説明書に従い、不安なら販売店や整備サービスに相談します。見分け方は葉先で分かる刃の研ぎどきで紹介しています。
冬に見つけた霜柱で浮いた場所、水たまり、よく踏まれた場所は、日付を入れて写真に残します。春の芽吹きと比べると、芽吹きの遅い場所を早く見つけられます。アプリ「しばしば芝」のお手入れ記録に写真とメモを残しておけば、春に同じ場所を見返しやすくなります。春からの作業の流れは芝生の手入れ完全ガイドの年間カレンダーで確認できます。
よくある質問
冬に芝生が茶色いのは枯れたからですか?
多くは休眠で、枯れではありません。高麗芝などの日本芝は冬に地上の葉が茶色くなり、春に芽吹きます。一部だけ色が違う、軽く引くと根がほとんど付かずに抜ける、根元が茶色や黒でつぶれている場合は傷みを疑います。鉢に植えて室内で芽が出るか確かめましょう。
冬も芝生の水やりは必要ですか?
休眠中は基本的に不要です。晴れて乾いた日が何週間も続き、根のある土まで乾いているときだけ補います。暖かい日の午前〜昼にまき、夜に凍る前に土へしみ込ませてください。
冬に芝刈りは必要ですか?
休眠中の日本芝は伸びないため不要です。オーバーシードで西洋芝を育てている庭は、冬も伸びるので乾いた日に刈ります。
冬の雑草は抜いていいですか?除草剤は使えますか?
抜いて大丈夫です。スズメノカタビラなどの冬雑草は、根が浅い冬のうちに根ごと抜くと春が楽になります。除草剤は、ラベルの使用時期が芝の休眠中(「芝発芽前」など)に当たる製品だけを、対象芝・量・回数を守って使います。
芝生に雪が積もったらどうすればいいですか?
自然に解けるのを待ち、雪の上を歩いたり遊び場にしたりしないようにします。融雪剤は芝の上や際に使わず、融雪剤を含む雪も芝に積み上げないでください。かかった場所は春に水をまいて塩分を流します。
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