しばしば芝

高麗芝とは|特徴・手入れ・向いている庭

高麗芝とは|まず結論

高麗芝(こうらいしば)は、日本の家庭の庭で最も広く使われている日本芝の代表品種です。結論から言うと、関東以西の戸建ての庭なら、高麗芝を選んでおけばまず失敗しません。夏の暑さに強く、踏まれても回復しやすく、ホームセンターで安く手に入るからです。

一方で「冬になると茶色くなる」という性質があり、これを枯れたと勘違いする人がとても多いです。実際は枯れではなく休眠で、春には自然に緑へ戻ります。この記事では、高麗芝の特徴、メリット・デメリット、年間の手入れ、姫高麗芝・TM9との違いまでをまとめて解説します。

高麗芝の特徴|日本の気候に合った定番の芝

高麗芝は、高温多湿な日本の夏に強い「暖地型」の芝です。もともと東アジア原産で、日本の気候に合わせて長く使われてきました。葉の幅は野芝より細く、西洋芝よりはやや太めの中間的な質感です。密に生えそろうため、見た目と踏み心地のバランスが良いのが持ち味です。

主な特徴は次のとおりです。

  • 暑さに強い: 生育の最盛期は夏。真夏でも元気に伸びます
  • 横に広がって増える: ほふく茎(地面をはう茎)で広がり、密なじゅうたん状になります
  • 踏圧に強い: 踏まれてもほふく茎から回復しやすい性質です
  • 冬は休眠する: 気温が下がると葉が茶色くなり、生育を止めます
  • 入手しやすい: 切り芝(マット状の苗)が安価に流通しています

なお、寒冷地で使われる西洋芝(寒地型)は冬も緑を保ちますが、夏の蒸れに弱く管理の難度が上がります。芝の系統ごとの違いは芝生の種類と選び方完全ガイドで詳しく解説しています。

高麗芝のメリット・デメリット

結論として、高麗芝は「手入れの手間・丈夫さ・費用」のバランスが取れた優等生です。ただし冬の見た目と芝刈りの頻度は、選ぶ前に知っておきたいポイントです。

メリット

  • 夏に強く枯れにくい: 暖地型なので猛暑でも生育が衰えにくいです
  • 初心者でも管理しやすい: 病気や乾燥への耐性が比較的高めです
  • 費用が安い: 切り芝の単価が安く、広い面積でも張りやすいです
  • 回復力がある: 子どもやペットが走り回る庭でも維持しやすいです

デメリット

  • 冬は茶色くなる: 休眠期はおおむね晩秋から春先まで緑になりません
  • 生育期は芝刈りが必要: 夏は月2〜3回程度の芝刈りが目安です
  • 日陰に弱い: 日当たりが悪い場所では薄くなりやすいです
  • 寒冷地には不向き: 北海道など寒さの厳しい地域では定着が難しいです

冬に茶色くなるのは「枯れ」ではなく「休眠」

高麗芝で最も多い誤解がこれです。冬に全体が茶色くなるのは枯死ではなく、寒さをやり過ごすための休眠です。地上の葉は色を失いますが、地中の根や茎は生きています。春に気温が上がれば、新しい芽が出て自然に緑へ戻ります。

つまり、冬の茶色い芝に水や肥料をあわてて与える必要はありません。逆に、春になっても一部だけ緑に戻らない場合は、病気や根のトラブルの可能性があります。見分け方は芝生が枯れる7つの原因と復活方法も参考にしてください。

高麗芝の手入れ|年間スケジュールの目安

高麗芝の手入れは「生育期(春〜秋)に集中して、冬はほぼ何もしない」が基本です。季節ごとの作業の目安を表にまとめます。

時期

主な作業

ポイント

3〜4月

サッチ取り・目土・肥料

休眠明けの立ち上がりを助ける

5〜6月

芝刈り開始・肥料

芝張りの適期。月1〜2回刈る

7〜8月

芝刈り・水やり

生育最盛期。月2〜3回刈り、朝に水やり

9〜10月

芝刈り・肥料

休眠前の体力づくり

11〜2月

ほぼ作業なし

休眠中。水やり・肥料は基本不要

水やりは「土が乾いたら朝にたっぷり」が原則で、真夏以外は降雨だけで足りる場面も多いです。芝刈り・水やり・肥料それぞれの具体的な手順は芝生の手入れ完全ガイドにまとめています。作業の時期を忘れがちな方は、アプリ「しばしば芝」でお手入れを記録しておくと管理が楽になります。

姫高麗芝・TM9との違いを比較

高麗芝の仲間には、葉がより細かい「姫高麗芝」と、省管理型の改良品種「TM9」があります。結論としては、手間と費用のバランス重視なら高麗芝、見た目の美しさ最優先なら姫高麗芝、芝刈りを減らしたいならTM9という選び方になります。

項目

高麗芝

姫高麗芝

TM9

葉の細かさ

中間

細かく美しい

高麗芝と同程度

伸びる速さ

普通

速め

遅い(省管理)

芝刈り頻度

夏は月2〜3回目安

多め

年数回程度に減らせる

価格帯

安い

やや高い

高め

向く人

バランス重視の初心者

見た目最優先の人

手間を減らしたい人

姫高麗芝は葉が細かく、きめの細かいじゅうたんのような美しさが魅力です。その分生育が旺盛で、刈り込みをさぼると見た目が乱れやすく、手入れの手間は高麗芝より増える傾向があります。「美しいが手がかかる上級者向け」と考えると分かりやすいです。

TM9は高麗芝を品種改良したもので、草丈が低く伸びが遅いため芝刈り回数を大きく減らせます。初期費用は高めですが、忙しい家庭には有力な選択肢です。詳しくはTM9とは|特徴と手入れのポイントをご覧ください。

高麗芝が向いている庭・向かない庭

最後に、高麗芝が向くケースと向かないケースを整理します。判断の軸は「地域・日当たり・冬の見た目を許容できるか」の3つです。

向いている庭

  • 関東以西の温暖な地域にある庭
  • 1日5時間以上、日が当たる場所
  • 子どもやペットが遊ぶ、踏まれる機会の多い庭
  • 費用を抑えて広めの面積に芝を張りたい家庭

向かない庭

  • 北海道や寒冷地(冬の寒さで定着しにくい)
  • 建物の北側など日陰が中心の場所
  • 冬も緑の芝を見たい場合(西洋芝や人工芝が候補)
  • 芝刈りの時間をほとんど取れない場合(TM9が候補)

関東以西で日当たりの良い庭なら、高麗芝が最も無難な選択です。気候への適性、入手のしやすさ、価格、情報量のどれを取っても標準的で、初めての芝生に十分応えてくれます。迷ったらまず高麗芝から始めて、芝のある暮らしを楽しんでみてください。

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