12月の芝生の手入れ|霜・雪の時期と年末の片付け【地域別】
編集: しばしば芝編集部(編集方針)

12月の芝生の手入れは、休眠した芝を育てる作業をすべて休み、冬雑草の手取りと年末の片付けに絞るのが基本です。高麗芝などの日本芝は、12月にはほぼすべての地域で休眠しています。芝刈りと肥料は要らず、水やりも原則として要りません。上旬は残った落ち葉を片付け、中旬は暖かい日に冬雑草を抜き、芝刈り機の燃料やバッテリーを保管の状態にします。下旬は一般地にも霜と氷の朝が来るので、霜の朝は芝に乗らず、ホースの水を抜いておきます。
この記事でわかること
- 12月の上旬・中旬・下旬にやること・やめることの時間割
- 霜・氷・雪が始まる時期の地域差(気象庁の平年値)
- 12月に見つかる冬雑草の見分け方と抜き方
- 芝刈り機の刃・燃料・バッテリーとホースの年末の片付け
- 12月に見送る作業と、1年の振り返りから来春の計画を立てる方法
12月の時間割|上旬は片付け、中旬は冬雑草、下旬は霜への備え
12月の芝生は、休眠したまま霜と寒さが強まっていく月です。埼玉県の芝生管理マニュアルは、日本芝などの暖地型の芝が12℃以下で休眠して茶色になるとしています。気象庁の平年値では、東京の旬ごとの平均気温は12月上旬9.1℃、中旬7.6℃、下旬6.5℃です。一般地の芝は、月の初めから休眠の目安を下回った中で過ごします。
時期(一般地の目安) | 芝と天気の様子 | やること | やめること |
|---|---|---|---|
上旬 | 休眠して茶色。暖地は緑が残ることもある | 残った落ち葉や枝を片付ける。芝刈り機の刃を点検する | 芝刈り、肥料 |
中旬 | 太平洋側は晴れて乾いた日が続く | 暖かい日に冬雑草を抜く。燃料とバッテリーを保管の状態にする | 習慣で続ける水やり |
下旬 | 一般地でも霜と氷の朝が始まる | ホースの水を抜いて片付ける。1年の記録を見返す | 霜の朝に芝へ乗ること、芝張り |
園芸メーカーのKINCHO園芸の高麗芝の栽培暦も、12〜1月の休眠中は芝刈り・水やり・施肥のどれも不要としています。ただし沖縄などの暖かい地域では、この時期も休眠せずに緑を保つので、伸びに応じて刈り込みます。11月にやり残した刈り納めや冬じまいは、11月の芝生の手入れで手順を確かめられます。
地域差の早見表|霜と氷が始まる時期は地域でずれる
12月は、多くの地域で霜と氷が始まる月です。気象庁の平年値(1991〜2020年)で、主な都市の旬別平均気温と霜・結氷の初日を比べました。結氷の初日は、その冬に初めて氷が張った日の平年値です。冬日は、最低気温が0℃未満の日を指します。
地域の例(年平均気温) | 12月の旬別平均気温(上旬/中旬/下旬) | 霜の初日 | 結氷の初日 | 12月の冬日 | 12月の動き方の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
寒冷地:仙台(12.8℃) | 5.9/4.2/3.5℃ | 11月14日 | 11月23日 | 11.4日 | 霜と凍結の朝が続く。霜柱と下旬からの積雪に備える |
一般地:東京(15.8℃) | 9.1/7.6/6.5℃ | 12月23日 | 12月24日 | 1.6日 | 中旬までは霜が少なく、下旬に霜と氷が始まる |
暖地:大阪(17.1℃) | 10.1/8.4/7.5℃ | 12月10日 | 12月17日 | 0.1日 | 上旬の終わりに霜、中旬に氷が始まる |
暖地:福岡(17.3℃) | 10.3/8.8/8.1℃ | 12月13日 | 12月17日 | 0.2日 | 中旬に霜と氷が始まる |
暖地:鹿児島(18.8℃) | 12.3/10.5/9.9℃ | 12月15日 | 12月15日 | 0.2日 | 上旬まで緑が残りやすく、中旬に休眠と霜 |
地域は、年平均気温13℃以下を寒冷地、16℃以上を暖地とする種苗メーカーの目安で分けました。気をつけたいのは、暖地だから霜が遅いとは限らないことです。大阪・福岡・鹿児島の霜の初日は12月10〜15日で、一般地の東京(12月23日)より早く来ます。名古屋も霜の初日は11月30日、結氷の初日は12月6日です。旬別平均気温は東京より少し低い程度ですが、氷が張り始めるのは半月以上早くなります。
上旬〜中旬|落ち葉を片付け、冬雑草を根ごと抜く
上旬は芝の上に残った落ち葉や枝を片付け、中旬にかけて冬雑草を抜いていきます。気象庁の平年値では、かえでの紅葉が関東・東海の太平洋沿岸、近畿、九州南部に達するのは12月上旬〜中旬です。これらの地域では、12月も落ち葉が続きます。米ノースカロライナ州立大学の管理暦も、12〜2月は石や枝、落ち葉を取り除くよう勧めています。
芝が茶色い12月は、緑の雑草を見つけやすい時期です。KINCHO園芸の栽培暦は、冬雑草を見つけ次第抜くよう勧めています。放っておくと、春には根が張って抜きにくくなるためです。
12月に見つかる主な冬雑草
どれも秋に芽を出して冬を越す雑草です(理研グリーンの雑草図鑑)。
雑草 | 冬の姿 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
スズメノカタビラ(イネ科) | 細い葉が地際から株になって広がる | 葉が中央で2つに折れ、葉先は舟の先のような形。春に穂を出して種をつくる |
ウラジロチチコグサ(キク科) | 葉を地面に放射状に広げたロゼットの形 | へら形の葉の裏が、綿毛で白い。春から夏に紫褐色の穂を付ける |
タチイヌノフグリ(オオバコ科) | 冬は小さな株で越冬し、春から茎が立ち上がって伸びる | 縁にぎざぎざのある卵形の葉。春から夏に青紫の小さな花 |
ツメクサ(ナデシコ科) | 地を這うように広がる | 細い線形の葉が向かい合って付く。白い小さな花 |
抜く日は、霜がとけた暖かい日の昼を選びます。KINCHO園芸も、冬枯れした芝生の雑草は暖かな日に少しずつ抜くよう勧めています。ロゼットの雑草は葉だけちぎると根が残るので、除草フォークを根元に差し込んで根ごと持ち上げます。
除草剤を使うなら、ラベルの使用時期を確かめます。使用時期が「芝生育期」に限られた製品は、休眠中の日本芝には使えません。「秋〜春期(芝発芽前)」のような区分がある製品か、「雑草生育期」とだけ書かれた製品を選びます。ただし葉から効くタイプは、気温が低い時期は効きが落ちます。種類の選び方は芝生のスズメノカタビラ対策で解説しています。
年末の道具の片付け|刃・燃料・バッテリー・ホース
芝刈りのない冬は、道具を整える時期です。KINCHO園芸の栽培暦は、1シーズン使えば刃先がすり減るとし、作業の少ない冬に刃の研磨を含めた整備を勧めています。方法はメーカーで違うので、まず取扱説明書の保管と保守の項を開きます。
道具 | 年末にやること |
|---|---|
刃 | 刈りカスと泥を落とし、欠け・曲がり・切れ味を点検する。研ぎや交換は冬のうちに手配する(自分で研げるかは機種で違う) |
エンジン式の燃料 | 春まで使わないなら、説明書の長期保管の手順で燃料を抜くか使い切る |
充電式のバッテリー | 説明書の残量と温度の条件で保管する |
ホース・スプリンクラー | 結氷の初日(大阪・福岡・鹿児島は12月中旬、東京は下旬、名古屋は上旬)より前に中の水を抜き、凍らない場所へ片付ける |
エンジン式は、燃料の残し方で春の始動が変わります。ホンダは米国向けの芝刈り機の案内で、90日を超えて使わないときは、燃料系統のガソリンを使い切るよう求めています。残ったガソリンは劣化し、始動不良の原因になるためです。最後に使ったのが10〜11月なら、4月ごろの最初の芝刈りまで90日を超えます。抜き方は説明書の手順に従ってください。
充電式は、バッテリーの保管条件をメーカーの案内で確かめます。たとえばハスクバーナは、冬は残量50%で5〜25℃の場所に保管するよう案内しています。条件は製品で違うので、手元の説明書を優先してください。刃の点検と研ぐ頻度は芝刈り機の刃の点検と研ぎどきにまとめています。
太平洋側は乾燥、日本海側は雪|12月の天気で判断が分かれる
12月の天気は、太平洋側と日本海側で大きく違います。気象庁によると、冬の季節風は日本海側に雪を降らせ、太平洋側では山から吹き下ろす乾いた風となって晴れの日を増やします。12月の平年値を比べると、降水量と日照時間の違いが数字にはっきり表れます。仙台は雪の降る日こそ多いものの、降水量は新潟の約5分の1です。
地点 | 12月の降水量 | 1mm以上の雨や雪の日 | 日照時間 | 雪の降った日 |
|---|---|---|---|---|
東京 | 57.9mm | 5.2日 | 174.4時間 | 0.6日 |
仙台 | 44.1mm | 5.6日 | 136.3時間 | 17.6日 |
大阪 | 55.5mm | 6.1日 | 152.1時間 | 1.8日 |
新潟 | 225.9mm | 21.5日 | 62.9時間 | 19.5日 |
太平洋側|水やりは「3〜4週間雨がない」ときと、張って間もない芝に
休眠中の日本芝に、決まった間隔の水やりは要りません。KINCHO園芸の栽培暦もTM9の管理マニュアルも、冬の休眠中の水やりは不要としています。例外は、雨が何週間も降らないときです。米クレムソン大学は、高麗芝の仲間(ゾイシアグラス)に、3〜4週間雨が降らなければ水を与える目安を示しています。最後に雨が降った日を記録しておくと迷いません。
張って間もない芝や南・西向きの乾きやすい場所は、冬の乾燥で傷みやすいとされます(米コロラド州立大学・アーカンソー大学)。まくのは暖かい日の昼にして、夜に凍る前に土へしみ込ませます。一方、粘土質で水が抜けにくい庭は、冬じゅう土が湿ったままにならないよう、まきすぎに注意します(米クレムソン大学)。冬の水やりの考え方は冬の芝生の手入れで詳しく解説しています。
積雪地|雪が積もる前に落ち葉を片付け、雪を芝に積み上げない
日本海側や寒冷地では、12月に雪が積もり始めます。気象庁の平年値では、新潟の初雪は11月23日、1cm以上の積雪が初めて観測されるのは12月15日です。札幌では、根雪(30日以上続く積雪)が12月6日ごろに始まり、4月上旬まで続きます。
米アイオワ州立大学によると、地面が凍りきらないまま雪が長く積もると、芝に雪腐病が出やすくなります。雪腐病は、雪の下で広がるカビの病気です。予防には、落ち葉の片付けと、大きな雪の山を広げて解けやすくすることを挙げています。雪の前に落ち葉を片付け、除雪した雪は芝の1か所に高く積み上げないようにしましょう。
下旬|霜と氷の朝は芝に乗らない
下旬は、一般地にも霜と氷の朝が来ます。東京の平年値では、霜の初日が12月23日、結氷の初日が12月24日です。霜が降りた朝や、芝と土が凍っている間は、芝生の上を歩かないようにします。
霜の付いた葉を踏むと、氷の結晶が刃物のように葉を傷つけます(米カンザス州立大学)。冬も緑の西洋芝は葉が生きているので、特に気をつけます。休眠中の日本芝は、傷んでも春まで回復する力がありません(埼玉県の芝生管理マニュアル)。年末の大掃除や来客で庭を通るときは、霜がとけて芝が乾いてからにしましょう。
寒冷地では、霜柱で芝の表面が持ち上がることがあります。そのままにすると、地下部が乾いたり冷気にさらされたりして傷みます。KINCHO園芸は、日中の暖かな時間帯に板を敷いて上から踏み、平らに戻すよう勧めています。凍った朝のうちに踏んで直そうとしないでください。
冬も緑の西洋芝・オーバーシードの庭は、伸びた分だけ刈る
寒地型の西洋芝や、秋にオーバーシード(日本芝の上に西洋芝の種をまくこと)をした庭は、12月も緑です。埼玉県の芝生管理マニュアルによると、冬芝と呼ばれる寒地型の芝は10℃以上でよく育ち、10℃以下で生育が止まります。東京の旬別平均気温は12月上旬から10℃を下回り、鹿児島は中旬まで10℃を上回ります。一般地では12月に入ると伸びが鈍ります。暖地でも、大阪・福岡は上旬まで、鹿児島は中旬ごろまでが、芝刈りが続く目安です。
刈るのは伸びた分だけにし、一度に短く刈り込まないようにします。水は、土の乾き具合を見て暖かい日の昼に与えます。除草剤は、ラベルの適用が日本芝だけの製品を西洋芝に使えません。品種ごとの性質は芝生の種類と選び方で比べられます。
12月に見送る作業と、代わりにいつやるか
12月は、芝を育てるための作業をすべて春以降へ回します。休眠中の芝は、作業の負担から春まで回復できないためです。代わりの時期は、KINCHO園芸の栽培暦を目安にしました(地域や年で前後します)。
作業 | 12月に見送る理由 | 代わりにいつやるか |
|---|---|---|
肥料 | 休眠中は不要。早い時期の肥料は冬雑草を元気づけるだけ | 4月下旬、その年最初の芝刈りのあと |
目土 | 休眠中は不要。厚く入れると芽吹きに響く | 凹凸の補正は3月下旬、全体は新しい葉がそろう4〜5月 |
エアレーション | 適期ではない。穴をあけた傷みが春まで残る | 新しい葉がそろう4〜5月 |
芝張り・張り替え | 切り芝から根が伸びず、根付く前に枯れることがある(TM9の開発元は10〜2月の芝張りを勧めていない) | 3月以降の春 |
1年を振り返り、来春の計画を立てる
作業の少ない12月は、1年の芝生を振り返るのに向いています。季節ごとの写真と作業の記録を並べると、来春に直す場所と時期が決まります。写真の撮り方は芝生の定点写真の撮り方で紹介しています。
記録で見ること | 来春の判断 | 時期の目安 |
|---|---|---|
薄くなった場所・はげた場所 | 張り替えか補修をする | 3〜5月 |
雨のあとに水が残った場所 | エアレーションと目土で水はけを直す | 4〜5月(水はけ対策は6〜7月も) |
冬のあいだにできた凹凸 | 目土で平らにする | 3月下旬 |
刈り納め・色が抜けた日・霜の日 | 来年の秋冬の段取りを決める | 翌年の10〜11月 |
肥料の量を見直すなら、米アーカンソー大学の管理暦は12〜2月の作業に、2〜3年ごとの土壌分析を挙げています。刈り納めの日や霜が降りた日をアプリ「しばしば芝」のお手入れ記録に残しておくと、翌年の秋冬の作業を早めに決められます。
前後の月の手入れは、11月の芝生の手入れと1月の芝生の手入れへ。
よくある質問
12月も芝刈りは必要ですか?
休眠中の高麗芝などの日本芝は伸びないので、刈らなくてかまいません(KINCHO園芸の栽培暦)。冬も緑の西洋芝や、沖縄など休眠しない地域の芝は、伸びた分だけ刈ります。
12月に芝生の水やりは必要ですか?
休眠中の日本芝には、原則として要りません。3〜4週間雨が降らないときや、張って間もない芝には、夜に凍る前に土へしみ込むよう暖かい日の昼に与えます。
12月に肥料をまいてもいいですか?
まかないのが基本です。KINCHO園芸の栽培暦によると、春先の芽吹きは芝が蓄えた養分で行われ、早い時期の肥料は冬雑草を元気づけるだけです。施肥は春、芝が芽吹いて伸び始めてからにします。
12月に芝張りをしてもいいですか?
おすすめしません。TM9の開発元は、芝が休眠する10〜2月は切り芝から根が伸びず、根付く前に枯れることがあるとして勧めていません。張るなら春を待ち、12月は場所や面積を決めておきましょう。
芝刈り機は冬の間どうしまえばいいですか?
刈りカスと泥を落とし、取扱説明書の保管方法に沿って片付けます。エンジン式は燃料を抜くか使い切り、充電式はバッテリーを説明書の条件で保管します。刃の研ぎや交換も冬のうちに済ませましょう。
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