芝生の雑草対策の基本|抜く・防ぐ・枯らす

結論:芝生の雑草対策は「抜く・防ぐ・枯らす」の3本柱
芝生の雑草対策は、手で抜く・芝を健全に保つ・必要に応じて登録除草剤を使う、という3つを組み合わせます。密度の高い芝は雑草が入りにくくなりますが、土中の種や地下茎をゼロにはできません。雑草の種類と量に合わせて続けることが大切です。
この記事では、雑草が増えやすい環境、手取りのコツ、芝を健全に保つ管理、対象芝に適合する除草剤の使い方、種類別の対処を順に解説します。
雑草が増える一因は芝のすき間
芝が薄く地表へ光が届く場所は、雑草が定着しやすくなります。ただし、雑草の発生は土壌水分、踏圧、日陰、酸度、土中の種や地下茎にも左右されます。密度だけで原因を決めつけないようにします。
芝がまばらで地面へ光が届く場所では、土中にもともとある種や、風・動物などで運ばれた種が発芽しやすくなります。裸地が広がる前に、日照、排水、踏圧、刈高など芝が薄くなった原因を確認しましょう。
密度の高い芝は雑草の侵入を抑える有力な予防策です。すでに生えた雑草は、種類と広がりを確認して手取りや適合する除草剤を選び、同時に芝が薄くなった原因を改善します。
目の前の雑草を抜くと種子形成や広がりを抑えられます。再発を減らすには、手取りとあわせて芝が薄くなった原因を改善します。芝刈り・水やり・肥料などの基本作業は芝生の手入れ完全ガイドで解説しています。

ステップ1:手取りのコツと道具
雑草が少ないうちは、薬剤を使わない手取りが選択肢です。芝のほふく茎を傷めないよう、雑草が小さいうちに地下部をできるだけ取り除きます。
カタバミ類やスギナなど、地下部から再生しやすい雑草は、地上部だけをちぎると再び伸びることがあります。土が適度に湿っているときに除草フォークなどで周囲をゆるめ、芝を傷めない範囲で地下部を取り除きます。
- タイミング:土が適度に湿り、地下部を抜きやすいときに行います
- 抜き方:芝のほふく茎を避け、除草フォークなどで雑草の周囲をゆるめます
- 大きさ:種をつける前の小さいうちに取り除くと、種子の追加を減らせます
- 抜いた後:大きな穴は薄い目土でならし、芝の回復を待ちます
根の深い雑草には先の細い除草フォーク、広い場所には立ち作業用の草抜き器が便利です。地下部を一度で取り切れない多年生雑草は、再生した地上部を繰り返し取り除くか、対象雑草に登録のある除草剤を検討します。
ステップ2:予防(密度を上げる管理)
雑草の侵入を減らすには、場所に合う芝を健全に保ち、裸地を広げないことが重要です。ただし密度の高い芝でも雑草は生えるため、発生初期の手取りと組み合わせます。
芝刈り:こまめに刈って密度を上げる
適切な刈高で芝刈りを続けると、芝の密度を保ちやすくなります。低く刈りすぎると芝が弱り、地表へ光が届いて雑草が入りやすくなるため、日数ではなく草丈を見て刈ります。
一度に取り除く量は草丈の3分の1以内を目安にします。伸び方は地域、品種、日照、施肥で変わるため、週1回などの固定日程に合わせる必要はありません。詳しくは芝刈りの基本ガイドで解説しています。
肥料:芝に栄養を与えて勢いをつける
肥料が必要な芝では、適量の施肥が生育を支えます。一方、雑草の種類によっては肥料で勢いが増すこともあるため、葉色だけで追加せず、施肥履歴や土壌状態を確認します。
肥料は施工面積を測り、製品ラベルの量を均一に使います。過量施用は肥料焼けや過度な生育を招き、芝を弱らせることがあります。
目土:凹凸を整えてほふく茎を支える
目土は小さな凹凸をならし、ほふく茎が地面へ接触しやすくする作業です。目土だけで雑草の発芽を止めることはできません。厚くかけず、生育期に葉先を埋めない量へ抑えます。
ステップ3:芝生用除草剤の使い方
雑草が広がって手取りが追いつかないときは、芝生用の除草剤が有力な選択肢です。ただし使い方を誤ると芝まで枯らすため、まず「選択性」と「非選択性」の違いを理解しましょう。
種類 | 効き方 | 芝生での使い方 |
|---|---|---|
選択性除草剤 | 登録された芝種で特定の雑草を抑える | 対象芝・雑草・散布方法がラベルに合う場合のみ使用 |
非選択性除草剤 | 多くの植物へ作用し、芝も傷める | 芝生内では原則使わず、ラベルに登録された場所だけで使用 |
対象芝に適合する選択性除草剤とは
選択性除草剤は、ラベルに記載された芝種と使用条件で、対象雑草を選択的に抑える薬剤です。「選択性」でもすべての芝に無害という意味ではなく、芝種、気温、乾燥、希釈や散布量によって薬害が出ることがあります。
注意したいのは、選択性除草剤にも「効く雑草」と「効きにくい雑草」がある点です。広葉雑草に効くタイプ、イネ科雑草にも効くタイプなど対象が分かれるため、製品の適用雑草欄を必ず確認しましょう。安全に使う基本は次のとおりです。
- 対象芝への登録を確認する:「芝」「日本芝」など、育てている芝が適用作物欄にあるか確認します
- 対象雑草を確認する:カタバミ、メヒシバなど、除去したい雑草が適用雑草欄にあるか確認します
- 濃度・量・回数を守る:使用量、希釈倍数、使用時期、使用回数をラベルどおりにします
- 芝と雑草の状態を見る:高温・乾燥などで芝が弱っているときは、使用可否をラベルで確認します
- 周囲へ飛散させない:風、降雨、立入制限などの注意事項も確認します
非選択性除草剤は芝も傷めるため、芝生内では原則使用しません。通路などで使う場合も、使用場所がラベルの適用範囲に含まれるか確認し、芝や周囲の植物への飛散を防ぎます。

雑草の種類別対策早見表
雑草は種類によって性質が違うため、効く対策も変わります。芝生によく出る代表的な4種を、見分け方と対処とあわせて整理しました。
雑草 | 特徴・見分け方 | 対策の方向性 |
|---|---|---|
カタバミ | ハート形の三つ葉と黄色い小花。種や地下部から増える種類がある | 種をつける前に地下部ごと取り除く。薬剤は対象芝とカタバミへの登録を確認 |
スギナ | ツクシのあとに緑の栄養茎が出る。地下茎から再生する多年生雑草 | 再生した地上部を繰り返し除去。薬剤は対象芝とスギナへの登録を確認 |
メヒシバ | 暖かい時期に育つイネ科の一年草。地表をはうように広がる | 小さく種をつける前に手取り。薬剤は芝種と使用時期への適合を確認 |
クローバー(シロツメクサ) | 丸い三つ葉と白い花。地表をはう茎が節で発根して広がる | 茎と発根した節をたどって除去。薬剤は対象芝とシロツメクサへの登録を確認 |
地下茎から再生するスギナと、一年草のメヒシバでは対処時期が異なります。まず種類を確認し、手取りを続けるか、対象芝と対象雑草に登録のある除草剤を使うかを判断します。
雑草対策の年間の進め方
雑草対策は1回で終わりません。一年草、多年草、冬雑草では発芽・生育・種子形成の時期が異なるため、カレンダーだけでなく種類と生育段階を見て対処します。
- 発生初期:種類を確認し、少数なら種をつける前に手取りします
- 芝が弱っているとき:乾燥、低刈り、排水不良などを先に見直します。薬剤はストレス時の使用条件をラベルで確認します
- 除草後:裸地が残れば芝が薄くなった原因を改善し、再発を記録します
毎回の作業を記録しておくと、「いつ雑草が増えやすいか」「どの対策が効いたか」が見えてきます。アプリ「しばしば芝」のお手入れ記録なら、芝刈りや除草の頻度をカレンダーで管理でき、対策のリズムを保ちやすくなります。
まとめ:手取り・管理改善・登録除草剤を使い分ける
芝生の雑草対策は、少数なら手取り、芝が薄い場所は管理改善、広がった場合は登録のある選択性除草剤を検討します。密度の高い芝は雑草を減らしやすいものの、発生を完全には防げません。
除草剤は「芝生用」という表示だけでなく、芝種、対象雑草、使用時期、量、回数、気象条件をラベルで確認します。非選択性除草剤は芝も傷めるため、芝生内では原則使いません。


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