しばしば芝(SHIBA3)

夏の芝生で後回しにしたい作業5つ|高温・乾燥時の判断

季節の手入れ

編集: しばしば芝編集部(編集方針)

夏の芝生で後回しにしたい作業5つ|高温・乾燥時の判断

夏の芝生は、何をするかより今は見送るべきかで結果が変わります。エアレーション、目土、低刈り、施肥、除草剤は定番作業ですが、高温・乾燥で芝が弱っている日に重ねると傷みを広げかねません。一方で、高麗芝のような夏に育つ芝(暖地型芝草)は夏が生育期です。夏だから何もしない、と決めつける必要はありません。この記事では、作業前に見るべき状態と、見送る場合の考え方を整理します。

この記事でわかること

  • 真夏に避けたい5つの作業と、それぞれの理由
  • 「見送る」場合に、いつ・どんな状態なら再検討できるか
  • 判断に迷いやすい3つ(日中の散水・夜の散水・真夏の芝張り)の考え方
  • 見送った作業を再検討する順番

結論:夏は「芝が伸びているか」で決める

夏に芝が傷むと、何かしてあげたくなります。まず見るのは日付ではなく、芝が生育しているか、しおれ・乾燥・病気の兆候がないかです。葉が伸びず、足跡が戻りにくい、土が乾ききっている状態では、根や葉へ追加の負担をかける作業は見送ります。高麗芝がよく伸び、土が適度に湿り、猛暑日が続いていないなら、作業によっては実施できることがあります。

すでに茶色くなってしまった面への応急処置は、芝生の夏枯れ対策で扱っています。この記事は、まだ枯れていない芝に対して予定していた作業をやるかどうかを判断するためのものです。夏に「やること」の側は夏の芝生の手入れにまとめています。

高温・乾燥時に後回しにしたい5作業

作業

避ける理由

またやっていい目安

エアレーション・根切り

乾燥・生育停止中は穴あけや根への負荷から回復しにくい

芝が旺盛に伸び、土が乾きすぎていない日

全面に厚い目土

葉を覆う厚さでは光が届きにくく、回復を妨げる

薄く均一に。土を入れ替えるような大がかりな作業は生育が安定した時期

刈高を下げる

葉を急に減らすと乾燥・軸刈りの負担が増える

芝種の推奨範囲で、少しずつ

濃い施肥・追肥の増量

弱った芝や乾いた土では過剰施肥のリスクがある

芝種・土壌診断・肥料ラベルに従う

除草剤の散布

製品によって高温時の使用制限や薬害(薬で芝が傷むこと)の注意がある

製品ラベルの温度・芝の状態・天候を満たす日

① エアレーション・根切り

エアレーションは、土の円柱(プラグ)を抜くなどして、通気・排水を助ける作業です。根切り(ねぎり・地中に刃を入れて伸びすぎた根を切る作業)とは目的も負荷も異なりますが、どちらも芝が生育しているときに行うのが前提です。高麗芝のような暖地型芝草では、生育が旺盛な初夏から夏にエアレーションが適する地域もあります。しおれ、乾燥、生育停止がある日は延期し、土を軽く握るとまとまる程度に湿らせてから行います。

ひとつ実務的な注意があります。芝生用除草剤には、芝張り直後や根切り後に使用できない製品があります。たとえばシバキープIII粒剤は、芝張り直後や根切り作業のあとは使用できません。根が傷んだ状態では薬の影響を受けやすいためです。シバキーププラスαのように、芝の植え付け後1年以内・根切り作業後3か月以内は使用しないと期間を明示する製品もあります。作業の順番を決める前に、使う除草剤のラベルで間隔を確認してください。

② 全面に厚く目土を入れる

目土(芝の上にまく土や砂)は、凹凸をならし、ほふく茎(地面をはって横に伸びる茎)の伸びを助ける作業です。ただし、一度に厚く入れて葉を覆うと光が届きにくくなり、芝は回復しにくくなります。真夏に芝が弱っているとき、全面を厚い土で覆うのは避けてください。

夏に補修するなら、凹んでいる箇所へ薄く入れ、葉先が見えることを確認するのが基本です。広い面をならす作業は、芝が元気に伸びていて、作業後の散水・観察ができる時期に回します。

③ 刈高を下げる

夏の芝刈り前に芝刈り機の刈高を高めへ調整する手元

見た目を整えようと刈高を下げると、地表への日射が増えて地温が上がり、土が乾きやすくなります。さらに、伸びた芝を一度に短く刈ると軸刈り(茎まで刈って茶色い部分が露出する状態)になりやすく、夏は回復が追いつきません。

夏は芝種の推奨範囲で刈高をやや高めにし、1回で刈る量を葉の長さの3分の1以内に収めます。高麗芝でも暑い時期は少し高めにする方法がありますが、必要な刈高は芝種と日当たりで変わります。詳しい考え方は芝刈りの基本に、やってしまった場合の対処は軸刈りしてしまったら…芝生を復活させる方法にまとめています。

④ 濃い施肥・追肥の増量

色が薄いからといって、肥料をすぐ増やす判断はしません。水不足、刈り込み、病害虫、踏圧(とうあつ・ふみつけで土が固くなること)でも色は落ちます。高温・乾燥で弱った芝への多量施肥は避けますが、高麗芝など暖地型芝草は夏が施肥時期に当たることもあります。

施肥するかは、芝の種類、土壌診断(土の養分やpHを調べる検査)、肥料ラベルの時期・量で決めます。乾いた土やしおれた芝には施肥せず、散布量を自己流で薄めたり増やしたりもしません。犬がいる庭では尿の跡にも注意し、肥料の種類と量の基本は芝生の肥料の基本を参照してください。

⑤ 除草剤の散布

除草剤は、芝の体力の問題であると同時に、製品ラベルの条件を守る必要がある作業です。たとえばシバキープIII粒剤は、30℃以上の高温時は使用しないとしています。シバキープエース液剤のように、30℃以上の真夏日や乾燥時は使用しないと定める製品もあります。一方で温度条件や散布時期は製品ごとに違うため、「30℃以上はすべての除草剤で禁止」とは言えません。

製品ごとの条件と、夏にできる代わりの雑草対策は夏の芝生の除草剤|高温・乾燥時にラベルを確認する理由で詳しく整理しています。

判断に迷いやすい3つ

「やってはいけない」とまでは言えないものの、条件つきのものを挙げます。

  • 日中の散水:土が乾いていれば行って大丈夫です。日中の水が芝を焼くことはありません。水切れサインがあれば翌朝まで待たず、根まで届く量を与えます
  • 夜の散水:土が乾いていれば行って大丈夫です。病気が心配な庭では、時刻だけで禁止せず、過湿・排水不良・頻繁な少量散水・葉が長く濡れ続ける状態を確認します
  • 真夏の芝張り:高麗芝のような暖地型芝草は晩春から初夏に張ることがあります。ただし張った直後は乾燥に弱いので、猛暑や、雨が降らず土が乾ききっている時期を避け、必要な散水を続けられるときに限ります

害虫が疑われるときも、まず原因を見分けます。葉が食べられているなら芝生の芋虫の正体と駆除を、芝がめくれるならコガネムシの幼虫を確認してください。農薬を使う場合は、対象害虫・芝への適用・温度条件をラベルで確認します。

見送った作業を再検討する順番

夏に見送った作業は、暑さが和らぎ、芝が再び伸び始めてから再検討します。順番は「芝の状態を確認してから、負荷のかかる作業」です。

  1. まず、芝が伸びているか、土が極端に乾いていないか、病気・害虫がないかを確認する
  2. 施肥は芝種・土壌診断・肥料ラベルの条件を満たすときだけ行う
  3. エアレーションや目土は、作業後に芝が回復できる状態で進める
  4. 除草剤は、芝が健全で、ラベルの温度・天候・散布間隔を満たす日に限る

夏の間に「今年はここが薄くなった」「この日から色が落ちた」と記録しておくと、秋にどこから手を付けるかが決まります。アプリ「しばしば芝」のお手入れ記録を使えば、写真と日付をまとめて残せます。年間の作業カレンダーは芝生の手入れ完全ガイドにあります。

よくある質問

夏にエアレーションをしてしまいました。どうすればいいですか?

追加の作業は重ねず、芝の状態を毎日確認します。しおれや乾燥があれば土が乾いたら水を与え、回復して葉が伸びるまでは根切り・厚い目土・多量施肥を重ねません。病気や害虫が疑われる場合は、先に原因を確認します。

夏は芝刈りも休んでいいですか?

芝が伸びているなら、伸びすぎる前に刈ります。ただし、乾燥や高温で生育が止まり、しおれているときは刈りません。芝種に合う刈高を守り、1回で葉の3分の1を超えて刈らないことが大切です。

いつから「秋の作業」を始めていいですか?

暦の日付ではなく、気温と芝の状態で判断します。最高気温が落ち着き、朝晩が涼しくなり、芝の色と伸びが戻ってきたら開始の目安です。地域差が大きいので、前年の記録があればそれがいちばん頼りになります。

色が薄いのを夏の間だけでも直したいのですが

肥料を増やす前に、水不足、刈高、踏圧、病害虫を確認してください。肥料はラベルの濃度・量を自己流で変えず、芝種と土壌の状態に合う場合だけ使います。原因が分からないままの施肥は、色の改善につながらないことがあります。

##エアレーション#高麗芝
しばしば芝(SHIBA3)

前回の水やり・施肥、いつだったか思い出せますか?

しばしば芝なら、手入れの日と写真を一緒に記録。次の作業の前に、前回のお手入れを確認できます。記録は無料です。

App StoreでダウンロードGoogle Playで手に入れよう

無料ダウンロード・アプリ内課金あり
お手入れ記録は無料。AI芝相談も無料枠で試せます。

関連記事