西洋芝の種の販売店と選び方|量・時期・価格【2026年10月】
編集: しばしば芝編集部(編集方針)

西洋芝の種は、一年中の芝生にするのか、冬だけ緑にするのかを先に決めてから選ぶと失敗しにくくなります。同じペレニアルライグラスでも、冬だけ用の品種は春〜夏に早く衰える、暑さに弱いものが選ばれているからです。次に、系統ごとの1㎡あたりのまく量から必要な量を出し、まける面積あたりの価格で比べます。秋まきの締め切りは地域で1か月以上違い、発芽の早いライグラスでも東京は10月中旬、大阪・福岡は10月下旬が目安です。札幌や仙台などの寒冷地は、春〜初夏のまき時を待ちます。
※本記事の価格・取扱情報は2026年10月6日時点の調査に基づきます。在庫・価格は変動するため、最新は各店舗の公式情報でご確認ください。
最初に「通年用」か「冬だけ緑」かを決める
西洋芝の種には、寒地型の芝生を一年中育てるための種と、日本芝などの上にまいて冬だけ緑にするための種があります。冬だけ緑にする方法をオーバーシード(ウインターオーバーシード、WOS)と呼び、専用の品種が売られています。
比べる点 | 通年用(寒地型の芝生をつくる) | 冬だけ緑(オーバーシード用) |
|---|---|---|
まく場所 | 整えた土 | 冬に休眠する暖地型の芝の上 |
主な種 | ケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、暑さに比較的強いペレニアルライグラス、それらの混合種 | アニュアルライグラス、ペレニアルライグラスのオーバーシード用品種 |
夏 | 暑い地域では夏に弱り、秋に追いまきして保つ | 春〜夏に衰え、下の芝に戻る |
商品名の目印 | 「寒地型」の種で、オーバーシード用と書かれていないもの | 「WOS用」「ウインターオーバーシード用」など |
注意したいのは、同じ「ペレニアルライグラス」でも、品種で夏の強さが逆になることです。芝生専門通販のバロネスダイレクトは、オーバーシード用の品種を「非常に耐暑性が弱く、春〜夏期の衰退が早い」と説明し、別の品種を「暑さに強い」としています。オーバーシード用を通年用のつもりでまくと、夏に消えてしまいます。反対に、暑さに強い品種をオーバーシードに使うと、春に下の芝へ戻りにくくなります。オーバーシードの手順と向く庭はオーバーシードのやり方で解説しています。
もう一つ、佐賀県ではトールフェスク(和名オニウシノケグサ)が県の条例で移入規制種に指定され、野外に種をまくことが禁止されています。トールフェスクを含む混合種も使えないため、佐賀県の庭では袋の配合を確かめてください。
系統ごとの向く庭と、1㎡あたりのまく量
1㎡あたりのまく量は、系統によって3〜5倍違います。種苗会社のタキイ種苗・国分グリーンファーム・バロネスダイレクトの資料から、家庭の芝生にまくときの目安をまとめました。実際の量は袋の表示に従います。西洋芝の系統の全体像は芝生の種類と選び方で確認できます。
系統 | 向く庭・使い方 | 1㎡あたりの量 | 発芽までの日数 | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
ケンタッキーブルーグラス | 寒冷地の通年の芝生。地下の茎が発達し、傷からの回復が早い | 15〜25g | 2〜3週間 | 初期の生育が遅い。低く刈るのには向かない |
トールフェスク | 一般地〜暖地の通年の芝生。販売店が「耐暑性が市販品種で最も優れる」とする品種がある | 30〜50g | 2〜3週間 | 従来の品種は株立ちで横に広がりにくく、他の系統との混合を勧める販売店もある。佐賀県では使えない |
ペレニアルライグラス | 早く緑にしたい庭、補修、オーバーシード | 30〜70g(オーバーシードは40g前後の例) | 7〜10日 | 品種で夏の強さが違う |
ベントグラス | ゴルフ場のグリーンのように低く刈る芝生 | 10〜15g | 約2〜3週間 | 病害虫に弱く、はじめての家庭の芝には向きにくい |
混合種 | はじめての通年の芝生 | 袋の表示(40〜50gの例) | 系統ごとに違う | 配合の割合と用途を確認する |
面積ごとの必要量は次のとおりです。1回目にまく量で、発芽がまばらな所への追いまき分は別に見込みます。国分グリーンファームは、ケンタッキーブルーグラスなら1回目に1㎡15〜20g、追いまき用に5〜10gを用意するよう案内しています。
系統(1㎡あたり) | 10㎡ | 20㎡ | 30㎡ |
|---|---|---|---|
ケンタッキーブルーグラス(15〜25g) | 150〜250g | 300〜500g | 450〜750g |
トールフェスク(30〜50g) | 300〜500g | 600g〜1kg | 900g〜1.5kg |
オーバーシード用ライグラス(40g) | 400g | 800g | 1.2kg |
混合種(40〜50gの例) | 400〜500g | 800g〜1kg | 1.2〜1.5kg |
ベントグラス(10〜15g) | 100〜150g | 200〜300g | 300〜450g |
「1㎡あたり◯g×広さ」は粒剤・肥料の散布量計算機でも計算できます。袋に「◯坪用」とだけ書かれている場合は、1坪=約3.3㎡で換算します。

はじめてなら、混合種が無難です。サカタのタネは、1品種だけより3品種を混ぜた家庭向けシリーズを勧めています。品種ごとに茂る時期が違うので、葉の美しい期間が長くなるためです。ただし混合種は、発芽の早いライグラスが先に芽を出し、ブルーグラスやトールフェスクは2〜3週間かかります。1週間で「まだらだ」と判断せず、発芽が終わる20日ほど後に追いまきが要るかを見ます(サカタのタネ)。日陰の庭なら「日陰に強い」と書かれた混合種や品種を選びます。日陰でどこまで育つかは芝生は日陰でも育つ?で確認できます。
寒冷地・一般地・暖地で、まき時と向く種が変わる
西洋芝の発芽に向く気温は、おおむね15〜25℃です。バロネスダイレクトは、これを1日の最低気温と最高気温の中間の値として説明しています。下の表は、気象庁の旬ごとの平均気温の平年値(1991〜2020年)から、秋まきの締め切りの目安を出したものです。締め切りは、芽が出るまで平均15℃以上の旬が続くかで決めました。発芽に2〜3週間かかるブルーグラスとトールフェスクは、まいた旬を含めて3旬(約1か月)、7〜10日で芽が出るライグラスは2旬です。地域は、年平均気温13℃以下を寒冷地、16℃以上を暖地とする種苗メーカーの目安で分けています。
地点(区分) | 平均が15℃を下回る旬 | ブルーグラス・トールフェスク | ライグラス | 平均22℃以上が続く期間 |
|---|---|---|---|---|
札幌(寒冷地) | 10月上旬(14.3℃) | 9月上旬まで | 9月中旬まで | 約1か月 |
仙台(寒冷地) | 10月下旬(13.7℃) | 9月下旬まで | 10月上旬まで | 約2か月 |
東京(一般地) | 11月上旬(14.4℃) | 10月上旬まで | 10月中旬まで | 約3か月 |
大阪(暖地) | 11月中旬(13.7℃) | 10月中旬まで | 10月下旬まで | 約4か月 |
福岡(暖地) | 11月中旬(14.1℃) | 10月中旬まで | 10月下旬まで | 約4か月 |
鹿児島(暖地) | 11月下旬(14.3℃) | 10月下旬まで | 11月上旬まで | 4か月あまり |
右の列は夏越しの目安です。寒地型の芝は、平均気温22℃以上が2か月以上続くと夏枯れを起こしやすいとされます(バロネスダイレクト)。札幌は通年の芝生にしやすく、東京より西では夏に弱ることを前提に種を選びます。
- 寒冷地:ケンタッキーブルーグラスが中心です。秋が短く、根付かないまま冬を迎えるおそれがあるため、春〜初夏のまき時が向きます(タキイ種苗の冷涼地の適期は5〜8月)
- 一般地:暑さに強いトールフェスクを含む混合種が候補です。夏に薄くなった所は、秋に追いまきして保ちます
- 暖地:通年の芝生は夏越しが難しく、冬だけ緑にするオーバーシードか、秋にまいて冬〜春を楽しむ使い方が現実的です。暑さに強い芝の考え方は夏に強い芝生の種類で比べています
10月以降にまくときの注意
10月にまくなら、芽が出るまでの日数が短い種を選び、近くの地点の気温で締め切りを決めます。表のとおり、東京ではブルーグラスやトールフェスクが10月上旬、ライグラスでも10月中旬が目安の終わりです。種苗メーカーの表示の例でも、オーバーシード用ペレニアルライグラスの秋まきは一般地で10月中旬、西南暖地で10月下旬までです。
- 袋の地域別のまき時を優先する:上の表は平年の気温からの目安。袋の表示と違えば袋に従う
- 遅いほど、ライグラスの多い種を選ぶ:ライグラスは発芽まで7〜10日。ブルーグラスは2〜3週間かかり、初期の生育もゆっくり
- 発芽まで表面を乾かさない:種まき後は目の細かいハス口で、種が流れないように水をやる(サカタのタネ)
- 間に合わないと分かったら春に回す:買った種は保管し、温暖地なら3〜5月、寒冷地なら4〜6月にまく(サカタのタネ)
10月のほかの作業との順番は10月の芝生の手入れで、上旬・中旬・下旬に分けて確認できます。
買う場所と価格の比べ方【2026年10月6日確認】
西洋芝の種は、1kgあたりではなく「まける面積あたり」で比べます。ブルーグラスは1kgで40㎡ほどまけますが、トールフェスクや混合種は20〜30㎡ほどです。2026年10月6日に各社の通販ページで確認した価格を、1㎡あたりに直しました。
販売元・商品 | 価格(税込) | 送料 | まける面積 | 1㎡あたり |
|---|---|---|---|---|
サカタのタネ 家庭向け混合種(約10㎡分) | 1,430円(10月14日は今シーズンの販売終了の表示) | 別(8,000円以上は無料) | 約10㎡ | 約143円+送料 |
サカタのタネ 少量の袋(0.5㎡用) | 275円 | 別 | 0.5㎡ | 550円+送料 |
バロネスダイレクト 混合種1kg(トールフェスク70%・ブルーグラス20%・ライグラス10%) | 4,580円 | 無料(3,980円以上) | 20〜25㎡ | 183〜229円 |
バロネスダイレクト ケンタッキーブルーグラス1kg | 4,400円 | 無料(3,980円以上) | 39.6〜49.5㎡ | 89〜111円 |
バロネスダイレクト トールフェスク1kg | 3,630円 | 別(関東・関西は600円) | 19.8〜29.7㎡ | 122〜183円+送料 |
9,980円 | 無料 | 20㎡ | 499円(資材込み) | |
国分グリーンファーム ケンタッキーブルーグラス1kg | 6,050円 | 込み | 40〜50㎡(20〜25g/㎡) | 121〜151円 |
国分グリーンファーム ペレニアルライグラス1kg(オーバーシード用) | 3,960円 | 込み | 約25㎡(40g/㎡) | 約158円 |
各社の芝の種の一覧は、サカタのタネ・バロネスダイレクト・国分グリーンファームの通販ページで確かめられます。種苗メーカーのタキイ種苗は、ブルーグラス・クリーピングレッドフェスク・ライグラスの3種を混ぜた家庭向けの種を出しています。設計小売価格は10㎡分(400g)1,200円です(税別・2026年4月1日現在。通販価格は梱包費などを含むため異なる場合があります)。
- 少量の袋は1㎡あたりが高い:0.5㎡用は1㎡あたり550円で、補修やお試し向け。約10㎡分の袋や1kg袋なら、表の例で1㎡あたり約90〜230円(送料別の店は送料を足す)
- 送料の無料ラインで総額が変わる:バロネスダイレクトは税込3,980円以上、サカタのタネは8,000円以上で送料無料(北海道・沖縄などは別)。3,630円のトールフェスク1袋だけなら送料がかかる
- オーバーシード用は季節に品切れが出る:10月6日、バロネスダイレクトのオーバーシード用2品は在庫切れの表示だった(国分グリーンファームの1品は購入できる表示)。来年は9月のうちに買うと選びやすい
買う場所は、少量の混合種なら種苗メーカーの直営通販、品種を指定して1kg単位で買うなら芝生専門の通販、その場で少量なら園芸店やホームセンターが探しやすいです。通販モールでは同じ種苗会社や専門店が出店していることもあるので、出品者と品種名を確かめます。ベントグラスは200gで3,980円(送料無料)の例があり、1㎡10〜15gなら種代は1㎡あたり約200〜300円です。費用より、低く刈る管理と病害虫への対応の手間が大きい芝です。
袋の「発芽率」と「有効期限」の見方、余った種の保管
芝草の種は、種苗法の「指定種苗」です。ケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラス、ベントグラス、レッドフェスクなどの芝草の種子が、農林水産省の告示で指定されています。種苗業者が売るときは、包装に次の事項を表示する決まりです(島根県の解説)。
- 種類と品種
- 生産地(外国産は国名)
- 採種の年月、または有効期限
- 発芽率(「◯年◯月現在 発芽率◯%以上」の形)
- 数量、表示をした業者の名前と住所
買うときは、有効期限がまく予定の時期より先か、品種名と混合の割合、「WOS用」などの用途の表示を見ます。店頭でも通販でも、期限を確かめてから買いましょう。
余った種は、湿気・高温・光を避けて保管します。サカタのタネの担当者は、袋の口を2回ほど折ってクリップで留め、ファスナー付きの保存袋に入れて冷蔵庫で保管する方法を紹介しています。ふた付きの缶に入れたり、乾燥剤を入れたりすると、さらに湿気を防げます。そのうえで、有効期限内に使い切ります。まいた日と芽が出た日をアプリ「しばしば芝」のお手入れ記録に残しておくと、追いまきの時期や来年のまき時を決めやすくなります。
よくある質問
西洋芝の種は1㎡に何gまけばいいですか?
系統で違い、ケンタッキーブルーグラスは15〜25g、トールフェスクは30〜50g、ペレニアルライグラスは30〜70g、ベントグラスは10〜15gが目安です。オーバーシードのライグラスは40g前後の例があります。袋に表示があれば、それに従います。
西洋芝の種まきは10月でも間に合いますか?
一般地と暖地なら間に合う場合があります。平年の気温から見ると、発芽の早いライグラスで東京は10月中旬、大阪・福岡は10月下旬までが目安です。札幌・仙台などの寒冷地は秋まきの時期をほぼ過ぎているため、春〜初夏にまきます。
はじめてなら混合種と単品のどちらがいいですか?
混合種が無難です。複数の品種がお互いの弱点を補い、茂る時期がずれるので葉の美しい期間が長くなります。混合種は芽が出る時期もずれるため、まいて1週間で追いまきを決めず、20日ほど待ってから判断します。
オーバーシード用の種で一年中緑の芝生にできますか?
できません。オーバーシード用の品種は、春〜夏に衰えて下の芝に戻るよう、暑さに弱い性質のものが選ばれています。通年の芝生にしたいなら、ケンタッキーブルーグラスやトールフェスク、暑さに比較的強いライグラスを含む通年用の種を選びます。
余った種は来年も使えますか?
袋の有効期限内なら使えます。有効期限は未開封での目安で、開封した種は少しずつ劣化するため、湿気・高温・光を避け、密閉できる袋に入れて冷蔵庫で保管するのが確実です。期限を過ぎた種は、表示の発芽率を下回っているおそれがあります。
まとめ|用途・系統・量を決めて、地域の締め切りまでにまく
西洋芝の種は、通年用かオーバーシード用かを決め、系統ごとのまく量から必要量を出し、まける面積あたりの価格で比べて選びます。秋まきの締め切りは地域で1か月以上違います。間に合わなければ種を保管して、春にまきましょう。
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