芝張り完全ガイド|準備から養生までの手順
編集: しばしば芝編集部(編集方針)

結論:芝張りは「時期・準備・張り方・養生」の4段階
芝張りのやり方は、「適した時期を選ぶ」「土をつくる」「芝を張る」「養生する」の4段階に分けて考えると、初心者でも迷わず進められます。特別な技術より、順番と丁寧さがきれいな仕上がりを左右します。
この記事では、家庭の庭にDIYで芝を張る全工程を、準備するものから根付くまでの養生まで通しで解説します。まずおさえたいのは、真夏と真冬は芝張りに向かないという点です。高麗芝(こうらいしば・日本で広く使われる暖地型の芝)を植える適期は、一般的に春と秋です。どの品種を選ぶか迷っている方は、先に芝生の種類と選び方完全ガイドで庭に合う芝を決めてから読み進めると、より具体的にイメージできます。
芝張りに適した時期|真夏・真冬は避ける
高麗芝の芝張りに適した時期は、目安として春の3〜6月頃、または秋の9〜10月頃です。地域やその年の気温で前後しますが、気候が穏やかで芝が根を張りやすい季節を選ぶのが基本です。逆に、真夏と真冬は避けましょう。
季節ごとの向き・不向きを、下の表にまとめました。
時期 | 向き不向き | 理由の目安 |
|---|---|---|
春(3〜6月頃) | 最適 | これから成長期。3〜5月に張れば梅雨入りまでに根付きやすい |
真夏(7〜8月頃) | 避けたい | 高温・乾燥で水切れしやすく、管理が難しい |
秋(9〜10月頃) | 向く | 暑さがやわらぎ根付きやすい。ただし冬までに定着を |
晩秋〜冬(11〜2月頃) | 避けたい | 高麗芝が休眠(冬の間、成長が止まった状態)に入り、活着(根付き)しにくい |
ここで注意したいのが芝の種類です。高麗芝のような暖地型(だんちがた・暖かい季節に育つ芝)と、西洋芝の多くが属する寒地型(かんちがた・涼しい気候を好む芝)では、得意な季節が異なります。本記事は高麗芝を前提にしています。西洋芝を張る場合は品種ごとの適期が違うため、購入先の説明も確認しましょう。
芝張りに準備するもの
芝張りの準備は、「芝本体・土まわりの材料・道具」の3つに分けてそろえると抜けがありません。まとめて用意しておくと、作業日に手が止まりません。
- 切り芝(きりしば):マット状にカットされた芝。張る面積に合わせて用意します(張り方で必要量が変わります。後述)。1束=約1㎡が目安で、買う場所や価格は高麗芝の購入ガイドにまとめています
- 目土・床土用の砂や土:目土(めつち・芝の上や間にかける細かい土)と、下地に使う砂・培養土など
- 元肥(もとごえ):土づくりのときに混ぜる肥料。芝の初期の育ちを助けます
- 道具:スコップ、レーキ(土をならす熊手状の道具)、板やローラー(転圧用)、ほうき、じょうろやホース
切り芝は、購入後に乾燥すると傷みやすいため、張る当日か前日に受け取り、日陰に置いて早めに使い切るのが安心です。
手順1:整地と土づくり(床土をつくる)
最初の工程は、芝を張る土台となる床土(とこつち・芝の根が張る下地の土)づくりです。ここが仕上がりと根付きを大きく左右するので、いちばん丁寧に行いたい工程です。
手順は次のとおりです。
- 雑草・石・ゴミを取り除く:根から雑草を抜き、大きめの石やがれきを片づけます
- 土を耕す:表面から20cm程度を目安に掘り起こし、固い土をほぐします
- 土壌改良と下地づくり:水はけが悪い場所は、砂や堆肥を混ぜて改良します。全体を掘って砂を数cm敷き、その上に培養土を重ねる方法もあります。ここで元肥を土になじませます
- 水勾配(みずこうばい)をつけて平らにならす:レーキで表面をならし、排水口や庭の低い方へごくゆるやかに傾斜をつけます。雨水がたまらず流れる下地にするためです
床土ができたら、軽く踏んで土を落ち着かせておきます。表面がでこぼこだと芝もでこぼこに仕上がるので、平らさを意識しましょう。
手順2:芝の張り方(べた張り・目地張り・市松張り)

芝の張り方には主に「べた張り・目地張り・市松張り」の3種類があります。すき間の空け方が違い、必要な芝の量と、全面が緑になるまでの時間が変わります。初心者には、コストと仕上がりのバランスがよい目地張りが選ばれることが多いです。
3つの違いを、下の表で比べてみましょう。
張り方 | すき間 | 必要量の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
べた張り | ほぼなし | 多め(面積と同じだけ) | すき間なく敷く。早くきれいに仕上がり雑草も出にくい |
目地張り | 3〜5cm程度 | 中(7〜8割程度) | 一般的な張り方。コストと仕上がりのバランスがよい |
市松張り | 芝1枚分あける | 少なめ(5割程度) | 市松模様に配置。安く済むが全面が埋まるまで時間がかかる |
張るときのコツは、切り芝の継ぎ目を十字にそろえず、レンガのように少しずらして並べることです。こうすると継ぎ目が目立ちにくく、地面が安定します。すき間の間隔もそろえると、後から均一に埋まってきれいに見えます。芝を並べたら、次の目土入れへ進みます。
手順3:目土入れと転圧
芝を並べたら、目土入れと転圧(てんあつ・上から押さえて土と密着させる作業)で仕上げます。この工程で、芝と床土がしっかりくっつき、根付きやすくなります。
目土は、切り芝のすき間と表面に薄くかけます。ほうきを使うと全体に行き渡らせやすく、すき間にも入り込みます。かけすぎて芝の葉が完全に埋まらないよう、葉先が少し見える程度が目安です。目土には、乾燥や凍結から芝を守り、地面のわずかな凹凸をならす役割もあります。
目土を入れたら、板を当てて上から踏むか、ローラーで転圧し、芝を床土に密着させます。浮きがなくなり、地面と一体になれば張り作業は完了です。最後にたっぷり水をやり、養生に入ります。
手順4:養生(水やりと最初の芝刈りまで)
張り終えたあとは、芝が根付くまで見守る養生(ようじょう・根付くまで大切に管理する期間)の時間です。ここで水を切らさないことが、芝張り成功のいちばんの鍵になります。
張った直後は、根まで水が届くようたっぷり散水します。その後しばらくは土を乾かさないことが大切で、気温の高い時期は、朝を中心に土の乾き具合を見ながら水やりを続けるのが目安です。春や秋の涼しい時期は、雨や土の湿り具合に合わせて頻度を調整します。水やりの基本は芝生の水やり完全ガイドで詳しく解説しています。
根付くまでの期間は、暖かい時期なら2〜4週間程度が目安です。この間は、芝の上をなるべく歩かず、根が定着するのを待ちます。芝が伸びてしっかり根付いたら、いよいよ最初の芝刈りです。最初は刈高を高め(3〜4cm程度)に設定し、一度に刈りすぎないようにします。根付いた後の日々の手入れは芝生の手入れ完全ガイドにまとめています。刈り込みに使う芝刈り機の選び方もあわせて確認しておくと安心です。
アプリ「しばしば芝」に張った日や水やりの記録をつけておくと、根付きまでの様子を写真で振り返れて、次の芝刈りのタイミングもつかみやすくなります。
芝張りでよくある失敗
初心者がつまずきやすいポイントは、事前に知っておけば多くが防げます。代表的な失敗を、原因とあわせて確認しておきましょう。
よくある失敗 | 主な原因 | 防ぐコツ |
|---|---|---|
張った芝が枯れてくる | 養生中の水切れ | 根付くまで土を乾かさない。夏は特にこまめに |
地面がでこぼこになる | 床土づくりが不十分 | 整地の段階で平らにならし、水勾配をつける |
雨のたびに水たまりができる | 水はけの悪い下地 | 砂や堆肥で土壌改良し、傾斜をつける |
継ぎ目がいつまでも目立つ | すき間が広い・目土不足 | 間隔をそろえ、目土をすき間にしっかり入れる |
真夏に張って傷んだ | 時期の選択ミス | 適期の春・秋を選ぶ |
どの失敗も、「適期に張る・平らな床土をつくる・養生で水を切らさない」の3点を守れば、大きく減らせます。
よくある質問
芝張りは初心者でも一人でできますか?
家庭の庭の広さであれば、初心者でもDIYで十分に張れます。ポイントは、床土づくりと養生の水やりを丁寧に行うことです。広い面積や重い土の掘り起こしは体力を使うので、無理をせず数日に分けたり、家族と分担したりすると安心です。
芝はどのくらいの量を用意すればいいですか?
張り方によって変わります。べた張りはすき間なく敷くため面積分がそのまま必要で、目地張りはその7〜8割程度、市松張りは半分程度が目安です。まずは張りたい面積を測り、選んだ張り方に合わせて量を計算しましょう。すき間を空ける張り方は、後から芝が広がって全面を覆っていきます。
芝張り後、いつから芝生の上を歩けますか?
根が定着するまでは、なるべく歩かないのが基本です。目安として、暖かい時期で2〜4週間ほど養生し、芝を軽く引っ張っても動かなくなれば根付いたサインです。それまでは、水やりのときも足を置く場所を最小限にすると、根の定着を妨げません。
真夏に芝を張りたいときはどうすればいいですか?
真夏は水切れや高温で傷みやすく、初心者にはおすすめしにくい時期です。どうしても張る場合は、朝夕の涼しい時間に作業し、水やりを一日数回に増やすなど、通常以上の管理が必要になります。急がないのであれば、秋の適期まで待つほうが失敗が少なく安心です。
芝を張った後、最初の肥料はいつあげますか?
一般的には、根がしっかり張って芝が動き出してからが目安とされます。土づくりのときに元肥を入れていれば、養生中はまず水やりを優先し、あわてて追加の肥料をあげる必要はありません。時期や量は芝種・地域によって異なるため、製品の表示も確認しましょう。


