芝刈り後のいい香り、正体は?|芝生が出す“青葉の香り”を観察する
編集: しばしば芝編集部(編集方針)

芝刈りのあとにふわっと広がる、青くて少し甘い香り。これは「芝生が元気だから出る香り」と決めつけるものではありません。葉が切られたときに増える青葉の揮発性成分(グリーンリーフボラタイル)が、私たちの鼻に届いている現象です。
少し意外ですが、香りは芝の健康診断の点数ではなく、葉が傷ついたときの反応の一つです。だからこそ、香りを楽しみつつも、刈ったあとの葉先や土の乾き具合を観察すると、芝刈りがもっと上手になります。

なぜ刈りたての芝は香るの?
植物の葉には、切断や食害のような刺激を受けたときに増える揮発性の有機化合物があります。芝でも、刈り取られた葉からこの種の成分が放出され、いわゆる「刈りたての草の香り」として感じられます。
香りの存在だけで、肥料不足・病気・水不足を判定することはできません。同じ庭でも、刈る量、芝の種類、気温、風で感じ方は変わります。「今日は香りが弱いから悪い」とは考えず、香りは季節の観察メモとして扱うのがおすすめです。
香りを感じた日に一緒に見る3つの場所
- 葉先:切り口がそろって緑のままか、白っぽくギザギザに裂けていないかを見ます。
- 刈りカス:厚いかたまりが残って芝を覆っていないかを確認します。
- 土:表面だけでなく数cm下も乾き切っていないか、芝に踏み跡が残らないかを見ます。
葉先が細かく裂け、翌日に茶色く目立つなら、香りより先に芝刈り機の刃を疑いましょう。切れない刃は葉を押しちぎるため、見た目を荒らし、病気が入りやすい状態にもつながります。
“香りを出すため”に強く刈る必要はありません
一度に刈る量は、伸びた葉の3分の1までを目安にします。伸ばし過ぎた芝を一気に短くすると、香りはしても芝には大きな負担です。高温・乾燥で葉がくすみ、踏み跡が戻りにくい日は、無理に見た目を整えず、気温が落ち着く日を待つ判断も大切です。
香りを楽しめる芝刈りは、短くする作業ではなく、芝が回復できる範囲で整える作業です。次に刈るときは、香りのあとに葉先を10本だけ見てみてください。庭の変化をつかむ、いちばん簡単な観察になります。
よくある質問
Q. 香りが強いほど芝生は健康ですか?
A. いいえ。香りの強さだけで健康状態は判断できません。葉が切られたときの反応なので、葉先の切れ方、色、土の湿り方を合わせて見ます。
Q. 刈りカスのにおいが強いときは捨てるべきですか?
A. においだけで判断する必要はありません。刈りカスが薄く散る量なら芝へ戻せますが、湿って厚く重なり芝を覆う量なら取り除きます。
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